カウンセリングブーム終焉で衰退した「教育相談」

【「教育相談」転身のススメ1】数回にわたって述べてきたように、私にとっては「教育相談」「カウンセリング」の技法や考え方が「授業改善研究」の大きな力になりました。しかし現在、その「教育相談」の分野は危機的状況です。その構造と打開策の提案です。
 20年ほど前はカウンセリングブームでした。学校に臨床心理士が初めて入り、各県教育委員会も教員向け研修会を次々に設置しました。私がお世話になった埼玉県高等学校教育相談会でも講演会・研修会を企画すると100〜150名の参加がありました。それが最近では20〜30人の参加までに激減してきました。この動きはカウンセリング関連の学会等の会員数の減少、カウンセリング関連の書籍の売り上げ減少などにもつながっています。最近、教育相談の大きな組織の1つが活動停止したのはとても残念なことでした。
 なぜか。ブームが来て去ったからではなく、教育相談に携わる私たちが反省しなくてはならないことも多いと思います。それは「特別な先生が、特別な生徒のために、特別な部屋で行う教育相談」の印象が強すぎたと思います。無論、「カウンセリング」が「秘密保持」を大切にしていることはわかります。しかし、ここに「カウンセリング」と「(学校)教育相談」の違いがあったと思います。またも「教師にとってカウンセリングを学ぶ意義」をどう捉えるかもあまり考えられてなかったような気がします。