【授業研究】最近、私は仕事として授業改善を軸とした学校改革と言ってよさそうな活動をあちこちで引き受けています。それにつながる会議にも参加しています。facebook等でのつながりの中で、それらに関わる多くの人たちの活動を目にし、意見のやり取りも眺めています。
それを眺めているとこの分野には一貫した理論も指導スキルもないような気がしてきました。「ない」ことを知ったうえで、自分のやり方だけは正しいと自信を持っている方も多い気がします。「ない」ことを知らない人もいます。そういう人の中には、これらの活動には理論や体系化されたスキルなど不要だと感じているかのように思える人もいます。
「ある」ことを知っている人もいます。ただ、それはビジネス社会の理論を適用しているだけのことのようです。あらゆるビジネス理論は地域・時代・職種・会社の発達段階・他社との関わり合いなどによって成功条件が異なります。そもそも利潤追求を第一義としない学校組織改革とは根本が異なる気がします。
私は元々公立高校教諭の当然の仕事として「高校物理授業の改善」を考え続けていました。目標は「居眠りをなくし、成績を上げ、選択者数を増やす」という単純なものでした。その成果を上げつつ授業研究委員会の一員として組織的な取組みにも関わらせてもらい、色々な勉強をすることができました。
定年退職してからは研修会講師として多くの学校等に呼んでいただきました。この時の心持は「私の実践が役に立つなら紹介しよう」でした。今振り返ると、少々無責任だったかもしれないと、最近感じ始めています。ありがたいことに、私が伺った学校ではそれなりに授業改善の輪が広がり、何人もの人がチャレンジし始めた、居眠りがなくなった、成績が向上した‥とその後の経過を伺うことが多々あります。
しかし、一部には「校内研修会なんて時間の無駄だ」という現場の声が多いことも知っています。私が講師として伺った学校でも「あの研修会は無駄だった」と言われているのかもしれません。声が聞こえないから知らないふりをしているのも無責任なのかもしれません。‥講師としての活動を6年間近くやってきて、「今頃?」と批判されるかもしれませんが、自分自身がしっかりとした理論的分析や見通しなしに講師を務めてきたことに強い問題を感じ始めています。
たまたま、ある学校コンサルタントの文章を読み、この人はそんな考え方を基盤にコンサルタントとして活動しているのだと感じました。そのことは私の考えとは大きく異なるものでした。この文章に触発されてレポートを書き始めました。たぶん発表することはないと思うのですが、私の考えを整理するのに役立ちそうです。
そのスタートの気持ちを記しました。
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