アンビバレント

【授業研究】授業中にグループ席にするかどうかについて、私はどうでもよいと思っていました。しかし、最近見学した授業では不思議な光景を見ました。

 ある先生の授業を見学しました。印象的な光景が4つありました。この先生はグループ席を作っていません。従って通常のタテヨコきちんと並んだ机の形です。少し説明して練習問題をさせます。その時は「動いて話し合っても良い」と指示しています。

(1)生徒たちはタテヨコきちんと並んだ席のままにしています。話し合う生徒は少し。

(2)選択クラスで男子が少なく、窓際2列が男子でした。

  この男子8名は机の向きを変えてグループ席にして話し合っていました。

(3)ある女子が隣りの女子と話しあっていました。

  下半身は椅子に腰かけて正面を向いています。

  上半身はひねって隣の席の友だちを向いて話し合っていました。

(4)2~3人で話し合っている女子の席(グループ席にしていません)に

  先生が近づきました。1人の生徒が質問しました。

  先生が答えたのですが、「その1人」に対して答えました。

  他の2人は元の体形にもどったので、あまり聞こえていないようでした。

 詳細な解説は省きますが、あちこちで生徒たちの動きはアンビバレントだと感じました。あとで、この先生に「態度目標を示していますか?」と尋ねると「いいえ」の返事でした。「なるほどね」と納得できました。「しゃべる、質問する、動く、チームで協力する‥」などの態度目標を明示しないと、生徒たちは「暗黙のルール」に従います。

 このクラスでは「男子と女子」「上半身と下半身」「話し合いと質疑応答」「先生の質問に対する対応」がアンビバレントになっていたということができそうです。「態度目標」を設定することの重要性をまたひとつ理解した気持ちがしました。

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