事実に基づく対話をしましょう

【授業研究】あるオンラインの集まりでのことです。参加者のおひとりが「文科省が宿題をいっぱい出させているから学校教育はダメになったんだ」という趣旨の発言を始めました。かなり気合の入った言い方だったので、若い方は発言を止めにくいようだと感じました。こういう時は「年寄りの出番」と思っています。

 私は反論しました。「文科省は宿題を出せ」と言ったことはないと思いますよ。私が物理授業で宿題をゼロにした時もそんな反対意見はありませんでした。むしろ、「関心・意欲・態度」の評価方法については「宿題の提出や手を挙げた回数を評価しないように」と文科省は言っているくらいです、と。それでその方の発言は止まりました。そのあとは穏やかな話し合いになりました。

 なんとなく「宿題を出すのはあたりまえ」の雰囲気があるのは確かです。時には「たくさん宿題を出すのが良い先生」という風潮があるのも確かです。しかし、それは文科省の指示ではありません。事実を踏まえることなく「犯人捜し」をすると、主体的な問題解決にはつながりにくくなります。

 エビデンスベーストを重視するなら、こういう話し合いの時にも、その発言の「根拠は何か」に対してみんなが敏感になるべきだと思います。私は物理が専門なのでいつも「科学的態度」を貫きたいと思っています。その姿勢の第一は「事実は何か」「根拠は何か」です。「対話」のスキルとしても大切にしたいものです。

 念のために少しネットで調べてみましたが、学習指導要領には「宿題」はないらしいです。関連していそうな書籍があるので取り寄せて調べてみます。
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