【授業研究】clicaを用いた講演の後でチャットデータ(発言記録)を見てみると、講演最中には見落としていた発言もたくさんありました。そのうちの1つはとても気になる指摘です。
「授業改善ってどこで行えば良いのですか?
それこそ、長く残って、残業しろってことですか?」
という発言です。
これは「働き方改革」の動きと矛盾するものとしてとらえられている重要な指摘です。この発言をした人は以下のように考えているのだと思います。
「授業改善のためには研修をしなくてはいけない。
そのために放課後や夏休みに校内研修会をしたり、
出張して研修会に参加しなくてはならない。
そうすれば、校内で放課後やっている教材準備ができなくなる。
その結果、残業して教材研究をすることになる。
また、研修会で新しい授業のやり方を教えてもらってくると、
教材づくりも新しい方法でやることになる。
これまで以上に時間がかかり、やはり残業が増えることになる」
それでなくても児童生徒に対する生徒指導(生活指導)や保護者対応に忙しいのに、
その上、授業改善などできるわけがないということだと思います。
この指摘は大事です。私は➀事務的仕事の削減、②集団力と機械力(特にICT活用能力)による生産性向上を基に、授業そのもののとらえ方を変えるべきだと思っています。すなわち、「仕事としての授業をこなす」とともに「授業者のスキルアップになる」構造をつくることです。すでに私が12年前から行っていたことです。
「授業改善は授業で行う」ということです。その仕組みを今、いくつかの学校に協力してもらいながら、研究を始めています。
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