原点に戻ろう

【授業研究】少し前にある学校から相談を受けました。長年、特定の方法で授業改善に取り組んできた学校なのですが、それを切り替えたいという相談です。「学校をあげてチャレンジしたい」というお話はこれまでにも何回もいただいてきましたし、継続的にかかわらせていたただいて、それなりの成果は上げてきています。新しい学校の相談を受けるたびごとに、その条件に見合った方法を編み出しながら成功させてきているつもりです。

 今回の相談を少し気が重く感じている理由は「これまでの方法」があるからです。「これまでの方法」を指導してきた指導者がいて、背景の理論があります。それを信じている人たちの集まりがあり、組織があります。現場で実践し続けてきた教師もいます。それらを気が重いと感じるのは、私が「セクト主義」に対するトラウマを持っているからです。

 1970年の安保闘争を高校3年生で迎えた私は学生運動に足を踏み込むと同時にセクト間闘争に巻き込まれました。その後、空手の世界でも同様の争いの巻き込まれたことがこの世界を離れる契機でした。教員になってからも同様でした。授業改善に関わってからも同じことでした。それらが嫌で「一匹狼」を気取っています。

 今回のことはそれらの記憶を呼び起こします。だから気が重いのです。しかし、ある小説を読みながら改めて「原点に戻る」ことを意識できました。教師の仕事の原点は第一に「生徒・保護者のため」です。そこをよりどころにするときにさほどの対立はありません。もう一つは、「現場の教師」の立場です。

 ここを原点に据えることで、セクト対立は避けられると思っています。元々、私が始めた授業の方法や考え方は「授業方式」にこだわっているわけではありません。対決しないで乗り越えられるはずです。その意味では私にとって新しい挑戦になりそうです。

 少し元気になってきました。

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