「学習としての体験授業」の必要性(2) (←「教育的な体験授業」の必要性、を改めました)

【授業研究】(昨日の続きです)

1「新しい授業」を始めるのには、「生徒役としての授業を受ける体験」が不可欠である。

   (※この授業のことを「学習としての体験授業」と呼ぶことにします)

 昨日は上記「1」の項目の途中まで論じました。

 要は「新しい授業」を受けたことがない人たちは、「伝統的な授業」を受けてきた体験に基づいて「新しい授業」を見学するために、その授業の中で何が起きているかを正しく想像することができないということです。

 では、どうすればよいか。その解決策は簡単。「生徒として新しい授業を受けること」です。まさに「プディングの味は食べてみなければわからない。(The proof of the pudding is in the eating.)」という諺どおりです。

 すでに、色々な人たちが「参加者を生徒役にする」という研修会の方法を開いています。多くの人たちは、これまで生徒としては体験したことのない授業を体験して、色々なことを理解します。例えば「短い説明は集中して聴ける」「説明だけではわからないことも仲間と協力するとわかるようになる」「得意な人や苦手な人がいることが、グループの力になることもある」‥などの体験です。

 これらの体験により、「あんなに短い説明でも理解できることはありそうだ」「ウンウン1人で考えるよりも、みんなでワイワイ話し合うと意外に理解が早いこともあるんだなあ」などの類推ができるようになります。

 この体験授業を「学習としての体験授業」と呼ぶことにします。敢えて「学習としての‥」とつけたのは、単なる「体験授業」では様々な問題があるからです。また、昨日は「教育的な体験授業」と仮に呼んでいましたが、どうも「上から目線」のイメージがあります。「学習者中心」の視点に立って、「学習としての体験授業」と呼びたいと思います。

 というのは、しばしば見聞きしてきた「体験授業」は参加した皆さんが、にこにこして受けているのですが、「それで終わり」という感じが強いのです。「終わった!さあ、飲みに行こう!」という雰囲気を強く感じることもあります。これでは「体験授業」は単なるレクリエーションになっている気がしてならないのです。

 私は「体験と学習は違う」と強く感じています。この視点から「学習としての体験授業」について丁寧に論じていくことにします。それが、以下の節です。明日以降に論じることにします。

2 「学習としての体験授業」には必要な構造がある。

(この項続く)

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