「どうして、いつも前向きなのですか?」

【授業研究】ある研修会会場に行ってみたら、送ってあるはずの資料がありません?!幸い、私の前に他の人の講演があるので、1時間の時間的余裕はあります。スタッフの皆さんに模造紙、ポストイット等をかき集めてもらうお願いをして、私はPCとプリンターのある部屋へ移動します。データからプリントアウトして印刷・綴じ込みをお願いして、私は会場に戻り機器のセッティングをします。
 機器のセッティングにもかなり手間取り、気が付くとワークショップ開始時刻が迫っています。資料はまだ届かない。(-_-;) それでも予定時間通りに開始します。資料がなくても最初の10分くらいは何とかなります。始めて数分のところで資料が届き、事なきを得ました。結局、授業体験を中心としたワークショップは予定通りに終了して、みなさんの満足も高そうでした。
 そのドタバタをしているときに、スタッフの方から、「小林さんは、どうしていつも前向きなのですか?」と尋ねられました。このトラブルに講師の私が怒って帰ってしまうのではないかと心配されていたようです。この質問は私にとっては深い気づきを引き起こしました。私のこの反応と対処の仕方は、私の性格によるものではなく、明確に目的意識を持って繰り返してきたトレーニングの結果だからです。
 詳細は省略しますが、「予想外の事態に直面する」→「動揺する」→「原因を探る」→「責任者がわかったら怒鳴りあげる」→「周囲にも当たり散らす」→「予定を全て破壊する」などの行動を私自身がしていた時期があります。そういう行動をする人たちを周囲で見続けていて、それを行動のモデルとしていたからかもしれません。
 カウンセリングなどを学ぶうちにその行動パターンが何とも非生産的であることに気づき、この反応を変えたいと思いました。一番の変更は、「過去にさかのぼり原因追求型の質問(詰問)をしない」という点でした。それに代わって、「未来を展望して問題解決型の問いかけ(自問自答)をする」ことにしました。これを意識的に繰り返していくと、この方が様々なメリットがあることがわかりました。更に自信を持って繰り返し続けているうちに、無意識的にもその反応ができるようになってきました。これが「技になる」ということです。そうなった私を外から見ている人には、まるで私の性格のように見えるのだと思います。この方がいうように、この私の行動が「いつものこと」と見えているのなら、長年繰り返してきた練習はようやく「技」として身に付いてきたといえそうです。
 「アクティブラーニング入門・第2巻」は「ハウツーとスキル(技)」をテーマにします。この話をまえがきに使うかもしれません。
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