【河合塾FDセミナーメモ2】「アクティブラーニング型授業」の定義は溝上慎一先生(京都大学准教授)の定義で説明が続きます。すなわち、「一方的な知識伝達型授業における学習者の受動的(パッシブ)学習を乗り越える能動的な学習の総称。伝統的な教授学習観の転換を目指す文脈で用いられる」です。
具体的な授業形態としては以下が紹介されました。
□学生参加型授業
・コメントや質問を書かせる/フィードバック、理解度を確認
(クリッカー/レスポンス・アナライザー、授業最後/最初に小テスト/ミニレポートなど)
□各種の共同学習を取り入れた授業
・協調学習/協同学習
□各種の学習形態を取り入れた授業
・課題探求学習/問題解決学習/問題発見学習
□PBLを取り入れた授業
・Problem-Based Learning/Project-Based Learning
□他:ピアインストラクション、TBL(チーム基盤型学習)
ここで大事なのは、1コマの授業をどう構成するか、何分間やるか、効果があるかないか等を問題にしていないと言うことです。「伝統的な教授学習観の転換を目指す文脈で用いられる」というのは、「伝統的な教授学習観の転換」を目指す転換は「全て」、アクティブラーニング型授業になるということです。
私が注目したいのは「目指す」です。「学習観の転換」を「目指す」とは、この目的意識を授業者が持つことが不可欠です。誰の学習観?のことか。私は第一に「授業者・教員」の学習観の「転換を目指す」ことだと思います。私自身には当初、その意識はありませんでした。単なる「居眠り防止」策の1つでしたから。しかし、始めたとたんに「学習観の転換」を迫られました。生徒達が「先生に教えてもらうより自分たちでわかる方がうれしい」「友達になら今さら先生に聞けないことも聞ける」「友達に教えることでもっとよくわかった」などと感想を出してきたからです。
それ以来、私は「伝統的な学習観の転換」を目指し続けて、様々な試行を続けてきたと言えます。この意識がなかったら、単なる「授業変更/授業いじり」に終わっていたかも知れません。「居眠りさせないために」ノート点検をする、私語をさせないために「板書・ノート」の分量を増やす、「生徒を遊ばせていないをアピールするために」宿題をたくさん出す‥などの手法も「授業改善」の1つかも知れませんが、「伝統的な教授学習観の転換」を目指す取り組みとは言えないということなののようです。(この項続く)