「深い学び」を引き起こすアクティブラーニング

河合塾FDセミナーメモ3】「
 河合塾FDセミナーでは、河合塾が大学の教育力調査をする際に「アクティブラーニング」に注目する理由を以下の3つとしています。
  第1はアクティブラーニングは「深い学び」を引き起こす。第2はアクティブラーニングは知識の定着を高める。第3は前記の2つを組み合わせることで効果が上がる。としています。
 第1については「学生の理解を重視する大学授業」(ノエルエントウィスル著/玉川大学出版部)を引用しながら以下を列挙しています。
(1)大学教育の中心は知識の獲得ではない。
(2)大学教育の中心は剥落することのない「思考の方法」を身につけさせること。
(3)深い理解、構造化された知識とは、学生自ら新たに得た知識を既有の知識と結びつけ、新たな全体像を構築することである。
(4)このような知識こそ、忘れない、活用できる知識である。
(5)一連の孤立した知識試験で役立つ程度であり、それ以上の何の役にも立たない。
(6)アクティブラーニングには、言語による伝達を超える内容がある。

 第2については最近はよく知られるようになった「ラーニングピラミッド」を引用しています。
「聞くだけ」では定着率が5%なのに対して、「教える」と90%の定着率であることに注目しています。つまり、先生が教え込むことより、生徒・学生同士が話し合ったり、教えあったりする方が定着率は高いのです。

第3はアクティブラーニングを2つに分けることを提案しています。つまり、「高次のアクティブラーニング」=「課題解決を目的としたアクティブラーニング」、「一般的なアクティブラーニング」=「専門知識の定着を目的としたアクティブラーニング」です。それらを科目特性に合わせてカリキュラムを編成するべきだということになります。(この項続く)