伝統的授業でのスキルの高さが「AL型授業」の質を支える

【授業研究】某高校で色々な先生たちの授業を見せてもらいました。朝から見続けて少々疲れを感じ始めた午後に見せてもらった授業は、うまくてびっくり!目が覚めました。
  数学の若手の女性の先生です。グループごとに着席させて始めた授業では、最初に前回の最後にやった確認テストを配布してコメント。それは短時間で済ませて、今日の学習の要点説明。ここで驚いたのは「説明の簡潔さ」と「板書のうまさ」。説明はよどみなく、繰り返しがなく、声がよく通る。板書はきれいな字、考えられた配列、何よりものすごい速さ。パワポ&プロジェクターを使わなくてもこんなにスピーディーにできるのだと感心させられました。その後、グループ活動、確認テストと続きます。
 私の隣で一緒に見ていた教頭先生に「すごいですね」というと、「小林さんの授業を見てら、同じことをやればできそう、と思って始めたそうです。もともと、うまい授業をする人でしたけど、さすがだと思っています」との返事。確かに私と同じような言葉の使い方が随所にあります。
  この授業を見ながら感じたのは「AL型授業」をうまくやるには、伝統的な授業で鍛えてきたティーチングスキルのレベルが高いほうが良いということです。厳しく言えば、そのレベルがある程度以上でないと、「AL型授業」はうまくいかないと言ってもいいかもしれません。
  しばしば、セミナー等で言っていますが、「AL型授業」で使うスキルはハイブリッドです。伝統的授業スタイルで鍛えたスキルを全否定するものではなく、そのスキルの隣にファシリテーション的なスキルを付け加える必要があります。そして、幅広くなったスキルを必要に応じて組み合わせていくということです。