「できない」と悩む生徒に手を出さない態度が、生徒同士の協力を促進する

【雑感】ある時の「物理授業体験」で「生徒役」のNさんが「わからない」を連発。他のテーブルを周り、色々な人に聞いても「わからない」。仲良しのOさんが隣に来て教えてくれても「わからない」。Nさんにとっても私にとってもピンチです。
   確認テストでもNさんは行き詰まります。「わからなければ相談してもいいよ」と私はアドバイス。Nさんは、確認テストが始まる直前に閃いて書いた自分なりの図解を元にぶつぶつ言いながら書いていきます。周りからは「そうそう」「それでいいんだよ」「ここまでくれば、あとは計算だけ!」との声。結局、Nさんも「100点!」。
   私も久々に緊張しました。こんな場面で大切なことは私(教師)がNさんに付きっきりで説明しないことなのです。もし、そうすれば、Nさんは「私は面倒かけている」「私はお荷物」と感じ、「早くわからなくては」と強いプレッシャーを受けます。また、クラスの他の生徒は「見捨てられた」「Nさんに先生をとられた」と感じかねません。
   「Nさんを気にしつつも、手は出さない」が原則です。度胸がいります。生徒達に「任せる」「信頼する」ことです。また、コンテンツ(問題の内容)には介入しないが、プロセス(過程、関係、やり方)には介入します。「どうすればいいと思う?」「(確認テストでも)相談してもいいよ」と本人や周囲に問いかけて気づきと行動変容を促すということです。