高度な対話スキルは高度な教科授業で

【授業研究】最近のイベントやセミナーで気づいたことをメモしておきます。

その1は「いわゆるコミュニケーション・トレーニングの効果と限界」です。

 友達作り、クラス開き、構成的グループエンカウンターなどの研修会が盛んです。それらを授業の中に組み込む実践も盛んです。それらによって、子どもたちが「とりあえず」色々な人と話せるようにはなると思います。しかし、それらは社交辞令、表面的な交流です。

 それがダメだとは思いません。誰とでも必要な時には笑顔で挨拶する、話し合いに相手を不快にしない態度で臨むなどは社会人としては必要なことです。就活や初期キャリアでは役立つことです。ただ、もっと複雑な思考力・判断力・表現力を育成する、高度な対話スキルを磨くことはどこでやるかです。これが不足していると中期キャリアで躓きます。

 私はこれこそ教科の専門性が大事だと思っています。各教科の専門的な見方や考え方が求められる難しい課題を出すことで生徒・学生は思考力・判断力・表現力を高めます。私は「トップを見捨てない」ために、難しい問題を出していましたが、結果としてはこの問題がその対応策として生きていたと思います。その力が、生徒たちの先々に役立つと想像しています。

 これは私自身が最近強く感じていることです。この10年間くらい、授業研究を深く考える段階になってから、物理学者として受けた訓練や唯物論弁証法の学習が、とても役立ちます。あのころ、頭が痛くなるほどに何日も考え続けてきたことが役に立っています。

 だから、これからの授業者にはこれまで以上に高度な専門性が求められます。

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