「模擬授業体験」はラボラトリー方式の体験学習の場

【模擬授業体験3】私がアクティブラーニング型授業をテーマとしたセミナーで「模擬授業体験」を取り入れたのは単純な発想でした。多くの参加者が「見たこともない、受けたこともない」授業について講義しても無意味だと思ったからでした。経験してもらえばイメージはつかめるだろう、という発想です。伝達手段としてとらえていたとも言えると思います。しかし、最近はそれだけではなく、これは「ラボラトリー方式の学習の場」になっているということに気づき始めました。
   ラボラトリー方式については末尾にあげたサイトなどを確認してもらうこととして、簡単に言えば「学習のための実験室」です。カウンセリングの分野では早くからトレーニング方式の1つとして使われていました。私にとっては上智大学カウンセリング研究所で学んだMLT(マイクロ・ラボラトリー・トレーニング)がとても強烈な体験でした。
   ただの体験とラボラトリー方式の違いは2つあると思っています。1つはファシリテーションの構成です。コルブの経験学習サイクルが実現するように構成されたファシリテーションが組み込まれていることが不可欠です。もう1つは体験が学習者が目指す職場などで起きることを現実的に繰り返し引き起こす条件を持っていることです。カウンセラー育成トレーニングではカウンセリング場面で生じることが、パイロット育成では飛行機の操縦中に起きることが生じる体験が構成されていることという意味です。続きは明日に。
http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/NINKAN/gp2005/program/laboratory.html