「分かるまで教えよう」「全て話そう」とすることが理解の障害になっているかも

【研修会の感想から】研修会で書いてもらっている「リフレクションカード」の内容は私にとっては「宝の山」です。先生達の「気づき」や「質問」「意見」がとても大きな学習のきっかけになります。
  この感想で思い出したことがあります。以前、M先生から、こんな質問を受けました。「私は生徒に理解させる説明力には自信があります。もうわかったか、まだわからないか、がわかります。ただ、まだだと思うと丁寧に説明を続けるうちに時間不足になります。小林さんはそんなことないんですか?」
  私はこう答えました。「私は私が説明している時間に生徒が理解するとは思っていないんです。だから決めた時間以上には説明しません」…夜の懇親会で「あの答えは私の自信を打ち砕かれた思いだよ。まいったなあ〜」と言われました。言い過ぎたかなと思いました。
  M先生はそれから、がらりと授業を変えてしまいました。パワーポイントを使い、説明を少なくし、私の物理とほぼ同じ形式にして、「いや〜、うまく行きますね」と言ってくれました。見学させてもらいに行ったときに生徒が言いました。「僕たちは60歳をすぎたM先生が長年のスタイルを捨てて新しい授業にチャレンジする姿に感動しています」と。そうなんです。その時、M先生は62〜3歳、定年の65歳までその授業を続けられました。