「理論学習をしよう。社会学的、歴史的意義を重視して」(アクティブラーニングを始めるコツ2/10)

「新しい授業」がなぜ必要なのか、についてある程度理論的な学習をしておいた方が良いと思います。その理由は、以下の通りです。

①自分自身にとって授業改善の社会的意義がわかることで価値を感じ、意欲を高めることができる。
②生徒に「なぜ授業を変えるのか」を説明するときの説得力が向上する。つまり生徒の意欲を高めることにもつながる。
③管理職に対する説明ができる。管理職によっては「新しい授業」が否定されることもあります。これに対してうまく説明したいものです。新学習指導要領の内容は管理職に向けては有効です。
④同僚や若い先生を巻き込むためにも理論的理解が役立ちます。この場合は「学習理論」、「協働学習の効果」、「キャリア教育」の視点が理解してもらいやすいようです。
 
では、どんな理論学習が必要かについて簡単に述べておきます。

1 「歴史的・社会的変化による必要性」
   1980年あたりを境に世界の経済構造が大きく変化しました。「オールドエコノミーからニューエコノミーへの変化」「バウンダリーレス(境界のない)社会の出現」などと言われます。そのために、社会を生き抜くのに必要な力が変化し、役立つ考え方も変化しました。このあたりの社会的・歴史的背景を学んでおくことは基礎の基礎です。参考書は「希望格差社会(山田昌宏著/筑摩書房)」「働く人のためのキャリアデザイン(金井寿宏著/PHP新書)」などです。

2 「学習理論による必要性」
   これに関しては多くの分野から、多くの書籍が出ています。以下のキイワードで検索されることをお勧めします。全てにわたって共通していることは、「黙って、じっとしている授業」より、生徒が能動的に活動して学ぶ授業の方が学習意欲も高まるし、学力も向上するということを主張しています。そのための手法はばらばらです。
【協働学習、協調学習、学びあい、教えて考えさせる授業、学習者中心の教育、ピアラーニング】

3 「新学習指導要領」
   今回の指導要領で注目すべきは、「授業の在り方」について文科省が言及したことだと思います。それは以下の2つです。「(授業中における)思考力、判断力、表現力の育成」「言語活動の重視」。
 いずれも、生徒たちが「黙って、じっとして、ノートをとるだけ」では実現できないものです。では、どうするかとなるとも必然的に「アクティブラーニング(能動的学習)」を取り込まなくてはならなくなります。

あとはくどくなるので省略します。