少人数におけるAL型授業の難しさ(5)

【授業研究】少人数におけるAL型授業の難しさを乗り越える方法を提案しようとしています、その提案のもとになった事実を述べています。その3です。ある高校で生徒向け授業を行いました。生徒数は20名程度だったと思います。4〜5人ずつ、4グループに分かれています。この授業は、5時間目と6時間目と続きの授業でした。
 その5時間目の授業はいつも通り順調に進みます。しかし、立ち歩く生徒はいませんでした。「やはり、この人数では活性化しないなあ〜」と私は感じていました。それでも、各グループ内では生徒たちが話し合っていますから、見学している先生たちには私の授業の概要は理解してもらえるだろうと思っていました。
 5時間目が最後に近づき、リフレクションカードを書いてもらう時に、ひとつだけ「問い」を追加しました。「おつかれさま。そこに印刷してあることに答えてリフレクションカードを書いてください。1つだけ質問を追加しますね。それは『態度目標を見直して、次の時間はどうしたいですか?』です」。これに生徒たちがどんなことを書いたかを休み時間にみることはできませんでした。ただ、ちらっと、2人の男子生徒が「次はこの立ち歩くってのやつてみたいよね」「うんうん、ぼくもそう思った」と話しているのが耳に入りました。少し期待してしまいます。
 そして、6時間目。説明は淡々と、あっというまに終わってしまいます。問題演習に入ってすぐに、期待していた生徒ではない別の男子が立ち歩き始めました。すると、さっき話していた2人も引きずられるように立ち上がります。こうなると全体に波及します。ざわざわと動き始めます。そのうちに、2つのテーブルに全員が集まって話し合いが始まりました。それぞれに10人くらいいますが、どちらのグループも大半の生徒が立ち上がっています。男子も女子も入り混じっています。これはなかなか面白い光景でした。
 無事に終了。あとでリフレクションカードを読むと、5時間目のリフレクションカードに「次は立ち歩きをしたい」と書いている生徒が数人いました。1/4くらいの生徒が書いていたことになります。私が限界だと思っている人数を下回っていても活性化した事実です。
 さて、事実の提示はここまでです。これらを踏まえて、明日は対応策を提示します。(この項続く)