「美しい日本語でした」!

【授業研究】少し前の研修会のリフレクションカードが届きました。以下のコメントがありました。

「小林先生の質問に対する答えを聞いていると、的を射た回答を丁寧に説明していると感じました。しかも美しい日本語でした」

 これはとてもうれしいコメントです。私は文学的な表現も情緒的な表現も極力排しています。表現を和らげるための婉曲な言い回しも、滅多にしません。それが時々、「ぶっきらぼうな表現」「鋭すぎる言い方」ととられることも承知しています。それでも、無駄を省いた言い方を心がけています。それは「ただ一つの意味に伝わる日本語」を使いたいからです。

 これは二十年ほど前の体験に由来します。そのころお世話になっていたアメリカの大学教授の女性がいました。当時、六十代の方です。彼女は日本生まれの日本人ですが、二十代半ばで渡米し、その後、アメリカで大学教授になりました。そのころになって、再び日本との交流が始まりました。それがきっかけで私もお会いし、色々なことを教えてもらっていました。少し日本語を忘れていらっしゃったので、しばしば奇妙な日本語になってしまいましたが、その都度、「正しい日本語ではどういうの?」と確かめていらっしゃいました。言葉にとても敏感で厳しい方でした。その彼女に「小林さんは日本語が上手ですね」と言われたことがあります。

 私は話し方について、「日本語」と表現されたのはこの時が初めてでした。きょとんとしている私に彼女は続けました。「あなたの日本語はただ一つの意味に理解できるのよ。他の人の日本語は色々な意味に理解できることが多いのよ。だから、私は何度も質問しないと意味が理解できないのよ。でも、あんたの日本語は一度聞けば、1つにの意味だけにきちんと理解できるのよ。だから、あなたの日本語は上手だと思うのよ」

 「なるほど」と思いました。それ以来、一時は物理学を志した科学者として、言葉を大切にするカウンセラーとしても、そして言葉で仕事をする授業者としても、「正しい日本語を使おう」と心がけてきました。それ以来、2~3年に一度くらいの割合で、「日本語」を褒められます。うれしいことです。励みになります。毎日ブログを書いているのも、そのトレーニングのためでもあるのです。

◎小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。→http://al-and-al.co.jp

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