「次になにをするのかを言ってくれるので‥」(3)

【授業研究】私が少し話したら、グループで「印象に残ったこと」「質問したいこと」を話し合って、質疑応答の時間を持つという形式は好評です。この形式への挑戦と試行錯誤はもう3~4年間になります。その途中でヒヤリとしたことをあげてこの項をひと区切りします。

 そのときは、実践発表する先生がいて、私はファシリテーター兼指導助言者のような立場でした。少し発表してもらって質問をもらう形式で進めることを発表の先生にも了解してもらって進めました。今ほど、私もスキルが高くなかったので、それほど質問が出てくるわけではありません。2度目か3度目に「では質問ください」と促して、少し沈黙がありました。すると発表の方が「はは‥」とひと言。ニヤリとしました。

 いかにも「質問ができない参加者を馬鹿にする」という雰囲気でした。私は参加者の前の方にいて、みなさんの表情が見える状態でしたから、この瞬間に参加者のみなさんが険しい顔つきになったのを見ることになりました。「最悪の瞬間」です。もう誰も質問を考える気なんかありません。「ふざけんなよ!」言わんばかりに露骨に横を向いてしまった人もいました。

 この時の学びは強烈でした。初めて「質問を考えたり、質問をする」形式の研修会に直面すると、誰もが多かれ少なかれ不安になります。「こんな質問をしていいのかな?」「質問したいけど手を上げるのが恥ずかしいな」などです。従って、どうしても「質問ください」と促した後に、ちょっと沈黙の時間がうまれがちです。

 この時に、その沈黙を馬鹿にするような態度を前に立つ人がやったら、アウト、だということです。「沈黙」は「考えている」か「迷っている」時間です。いずれにしても「真剣」なのです。それを馬鹿にする言動は絶対にしてはいけないと思っています。

 でも、「質問が出てこない」こともあります。その時は、どうするか。その対策は改めて別項目で取り上げることにします。(この項終わり)

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