「自分が生徒だったら、この授業は嫌です」

【授業研究】ある研修会での感想を読み返していたら、こういう感想がありました。
「自分が生徒だったら、高校時代のことを思い出してみると、自分が主体となるような授業はいやです。いやだと思いました」
「どちらかもというと、自分自身が人と一緒にやりたくない、1人でやりたいタイプなので、AL型授業はできるかどうか心配でした。小林さんの、『グループ分けはしない』ということや、1人ぼっちの生徒への対応を聞いて、とても気持ちが楽になった」
 この先生たちのカードは色々なことを考えさせられます。まずは、教師の個人的な性格や嗜好と、仕事上の役割の区別です。「1人が好き」というのは性格なので変えられないと思います。しかし、プロとして仕事をする以上は、それを超えて任務を遂行する覚悟は必要です。内向的な人でも営業や販売をしているという事実は社会では当然のことです。
 ただ、このことは教師としての強みにもなります。「まだ」人との関わりがうまくできていない生徒を理解するのに役立ちます。理解して、共感して、支援していけば、生徒は成長します。たぶん、私が常にそういう生徒たちのことを意識して対応していたのは、私自身が、人付き合いが苦手で苦労してきたからです。「私のような苦労をさせたくない」という気持ちでした。
 自分の特性を仕事にどう生かすか、社会人になったら、正面から立ち向かいたいものです。