【授業研究】生徒向け授業は5時間目だったのですが、4時間目は他の授業で使っているとのことでしたので、3時間目の終わるころに高校について、教室を確認しました。グループ席の作り方を確認し、スクリーンやプロジェクターの位置の確認、プリントの確認をして、あとは昼休みに作業をするとういう段取りでした。
その作業の途中で物理の先生と教頭先生の会話で気になることが‥
「転校生でもいるのですか?」
「2学期から海外から来た留学生がいるんです」
「いつから学校に来ているのですか?」
「先週から。まだ1週間です」
「日本語はできるのですか?」
「いいえ。全然」
「‥‥(絶句)」
それではこの生徒は授業中何もわからない‥。それはつらい。しまった‥早めにわかっていれば私が持っている英語の「科学入門」でも持て来たのに‥と私は焦ります。
「図書館にそのような英語の本はないですかね?」
「速読、多読用の本は?」
図書館に行って探してもありません。英語科の部屋に行って先生たちを巻き込んで、あれこれやってみても見つかりません。
「どんなキーワードで探せばよいのですか?」
「今日の単元は〈熱と温度〉です。heat and temperature だと思います」
しかし、見つかりません。諦めて控室に戻ります。お茶を飲みながら他の準備をしていると、さっき手伝ってくれた英語の先生がPCを持って駆け込んできました。
「これはどうですか?」
ネット上で〈heat and temperature〉で検索してひっかかった記事をいくつか見せてくれました。教科書とほぼ同じ内容の解説ページがありました。それに関連付けた説明用の動画(video)も見つかりました。「これで行きましょう」。資料をプリントアウトして留学生用の教材は確保。ひと安心してお茶を飲み始めると教頭先生が、話しかけてくれました。
「なるほど。小林先生が〈1人も見捨てない〉とよくおっしゃるのはこういうことですね。私は仕方がないと諦めていましたが、こんなに色々考えて準備をするのですね。勉強になりました」
ああ、論理的に言えばそういことだなあ~と理解しました。でも、私はそんな理屈より前に、その留学生のことが気になり始めたら止まらないのです。いつも現場ではそうやっていた気がします。
さて、教材は準備できたものの、授業中はどうしよう?
英語で話しかける?うーん‥通じるかな?‥そちらの方が気になります。
その顛末は次回、です。[この項続く]
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