
第3週 小林の高校物理授業の具体的構造
第3回 なぜ新しい授業で「私自身が成長できたか?」
〈生徒の評判が授業選択に影響する理由〉
新しい授業はスタートと同時に生徒には大好評でした。5月に行った「次年度の選択科目の予備調査」は「十数年ぶりに物理選択希望者が増加しました!」と教務主任。「え?まだ始めて1か月だよ」「生徒は理解します。1年生は部活の先輩たちの評判を信じます」。私にとっては新しい視点。「毎日の授業で生徒の信頼を得る」ことの大事さを理解しました。
〈なぜ4題構成が生徒の学びを変えたのか?〉
その時解決していなかった課題が「4題の練習問題の選び方と並べ方」でした。全員が軽々解いてしまったり、全員が行き詰まったりします。そこで思いついたのが「レベルの異なる練習問題を出す」&「解答解説をつける」でした。1番の問題は物理が苦手な生徒でも教科書を読んだり、略解を読んだり、友達に教えてもらえば何とかなる問題。2番以降は徐々に難しい問題にして4番はトップクラスの数人でも苦労しそうな問題を配置しました。これが大成功。多様性を前提にすると学びが深まります。差別をしない働きかけは重要です。この内容はあとで詳しく述べます。
〈予習する生徒がクラスを動かす〉
普通なら、今日のプリントは「今日配布」します。ここも変えました。宿題ではないのですが、次回のプリントを確認テスト以外は全部配布しました。すると、何人かの生徒が少しやってきます。教科書を読み、練習問題も解いてきます。要するに「敢えて生徒たちの間に多様性を創り出した」ということです。この生徒たちが「俺、今日は教えてやれるよ~」と歩き始めます。「え?俺、ここわかんないよ。教えてくれよ」に応えて教えに行きます。リフレクションカードには「〇〇君に教えて、と言われてとてもうれしかった。次も予習して来ようという気になった」などが出てきます。「多様性(ダイバーシティー)は組織の強みだ」を実感できました。先生たちは生徒を「揃えたがる」気がします。「違いがクラスの成長の力になる仕掛け」なら生徒たちはその潜在力を発揮します。
強調しておきますが私は「プリントの渡し方を変えただけ」なのです。何も言わなくても「仕組みを変える」と組織は変化するのです。
〈先生の説明は短く、理解は生徒が自分で深める〉
低迷続きの物理授業の新担当が着任早々、「変なことをやっているらしい」「生徒が喜んでいるらしい」といううわさが広がり多くの先生たちが覗きに来ました。当時(2007年)、毎時間、プロジェクターとpptを使っていたのは学校中で私だけ。物珍しさもありました。
「俺にも使える?」という人には一から手ほどき。あっという間に校内にプロジェクターが増加。説明時間短縮効果でグループワークも増えました。(2007-2009年ごろの話です) その都度多くの質問をいただきました。
例えば「小林さんの説明は少し早口だし繰り返しもない。少し冷たい気もするのだけど、生徒はなぜついてくるの?」です。「この最初の15分間で物理内容の理解は無理、と思っています。概要を聞いて、実験や動画を見て、そのあと、〈問題演習〉の時間に教科書を読み、手を動かして答案を書いて初めて〈わかった!〉という気になるんだよ。このプロセスがわかると生徒たちにとっては、私の説明は簡潔に終わることが〈ちょうどいい!〉と感じられるんだよ。自分で考え、読み直し、自分で問題を解けるようになるからね」
〈質問を通じて理論に到達するまで〉
このように先生たちの質問を一緒に考え、少しずつ言語化していくことで私の理解が進みました。高校教諭を定年退職し、講演をし、本を書き、TVに出演する過程は、多くの人たちとの対話でした。それが大学教授退職後に「教師スキル(=授業者スキル+担任スキル)」まで到達できた原動力です。その意味で越ケ谷高校教諭時代以降、たくさんの質問をいただいた皆さんに感謝しています。
この多くの「実践者同士」の「質問を中心にした対話」を通して「実践の意味を言語化」していくプロセスは「対話(ダイアローグ)」に関する多くの本が重視していることです。このプロセスを経て、私も成長し続けていると感じています。これはどの先生にも実現可能なプロセスです。今後はこうした具体的な方法についても、順を追って書き記していくつもりです。のんびり、じっくりお付き合いいただけるとうれしいです。
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昨日(11/20(木))3つ目の質問もいただきました。
ありがとうございます。数日中に回答します。
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