閉じ籠り生活2ヶ月の学び(3)

【授業研究】2ヶ月の閉じ籠り生活で学んだことを自分のために記しています。

 第3は研修会講師の在り方について以下の点について考えました。
(1)大半は講師に相談なく「キャンセル」の連絡だった。
(2)相談があった組織にはオンライン研修会を提案。反応は様々。
(3)そもそも教育委員会や学校はオンラインに遅れている。
(4)オンライン研修会の料金設定がなかなかできない。
(5)これからの講師には上質なオンライン研修会実施能力が問われる?

  (1)について。3月以降予定していた研修会は1件を除いて全てキャンセル。これは仕方とは思うのですが、事前に相談してくれたところは1つもありませんでした。「3密を避けてできないだろうか?」「オンラインではできないだろうか?」と問い合わせてくれれば、オンラインでやろうと提案したのになあ‥とつくづく思いました。当初はやる気がないのか、上から言われるままなのか‥と思っていました。どうやら、そうではなく、オンライン研修会そのものを知らないということが原因のようでした。

  (2)。5月以降の研修会についてはいくつかの組織からは「オンラインではできませんか?」と相談がありました。これには「できますよ」と回答して、Zoomの紹介をしたこともありました。これに対しても「検討します」の返事だけで何も反応のない教育委員会等が大半。担当の人は意欲的になったものの「上司にダメと言われました」も数多くありました。

 (3)。そんなことをやっているうちに気が付いたことは学校の先生たちや指導主事さんたちがZoomもオフィス365もグーグルも何も知らない人が多いことです。私が高校教員を定年退職したのは7年前ですが、その時と全く変わりがないような気がします。
   更に驚いたのは学校で先生たちに貸与されているノートPCにカメラがないこと!これではZoomは使えません。更には学校のアドレスは学校のPCからしかログインできないから、オンライン研修会をやるにしても先生たちは学校に出勤しなくてはならないと学校もある。個人のメールアドレスも把握していないケースもありました。
  一方で、オンライン授業をやるとなったら大半の先生たちがスラスラと動画作成をして、さっさとサーバーに動画をアップしていますという学校もありました。その学校で提供している動画は実によくできていて驚きました。しかも、全員が当たり前のように1人で作成しているとのこと。こういう学校間格差も大きいようです。

 (4)。講師の立場では「オンラインだから最初の料金より安くしてほしい」と言われると少々がっくりです。逆に「当然」と当初の予定通りの料金を維持してくれる組織もあります。ある組織からは「おいくらですか?」と打診されて内容を説明したところ、「それなら」と対面の研修会の金額よりも高く設定してくれました。これはオンライン研修会を「来るか来ないか」というレベルでしか判断できない責任者と、プログラムの質をきちんと評価できる責任者の違いということです。

 (5)。上記の問題は逆に講師の能力が問われることにもなりそうです。少しずつオンライン研修会が始まり、現場の人たちが色々なオンライン研修会を受けたり、企画者・責任者の立場でその様子を見る機会が増えると「目が肥えます」。そうなるとオンライン研修会でただ話し続けるだけの講師には厳しい目が注がれることになるかもしれません。研修会講師にはオンライン研修会が実施できるICTスキルは当然のこととして、学習プログラムを作る力が要求されそうです。

 次回は講師として時代に遅れないようにするためのトレーニングについて述べます。[この項続く]

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