オンライン講座の準備は説明力強化になる!(1)

【授業研究】オンライン授業用に色々な形で教材作成にチャレンジしています。そこで面白いことに気が付きました。2つあります。1つは「話し方の早さ」について、2つ目は「コンパクトな説明」についてです。

 第1の「早さ」について。斉藤孝氏は「早口で話す方が誰にとっても理解しやすい」と書いています。これは私の経験上も同じです。現場の先生たちには以下を強調しています。

・少し早口で話す。

・繰り返しはしない。

・思い付きの「昔話」や「自慢話」もしない。

・「えー」「あー」も言わない。

 ところが、私が教材を作ってみるとびっくり。自分自身がこれらを実践していないことに気が付きました。パワポのスライドを記録させる方法で説明しながらスライド送りをし、ポインターを動かしています。ひと通り記録し終わってから、視聴すると「遅い!」のです。聞いていて飽きてしまいます。しかも、しばしば「えー」「あー」を言っています。かなりショックでした。

 私が講師として話している時にそんなことはほとんどありません。それは何回も講演の録音テープを聞いて確認済みです。なぜか?考えました。たぶん「スライドを読んでいる」からです。或いは「ポインターを動かす」からです。

 「スライドを読む」のは正確に伝えたいからです。しかし、その意識が強すぎると「さっきどこまで説明したかな?」「次はどのひとまとまりを説明しようかな?」などと、話そうとしているストーリーとは別のことに意識が飛びます。この瞬間に「えー」「あー」と言っています。また、その結果がいつもより「ゆっくり」になってしまうようです。これはいけないと気が付いて記録をやり直しました。

 パワポのこのシステムの良いところは「音声録音を1スライドごとに記録・修正できる」ということです。聞き直して気に入らないスライドのところだけ録音し直しています。共同作業をしている先生から届いたスライドは無駄なく説明が録音されていて、びっくりしました。「うまいなあ~」と嫉妬してしまいます。

 別件で電話もらったときにその点を聞いてみると「いえいえ、私も聞き直して滅茶苦茶で焦りました。あれは10回くらい吹き込み直した結果ですよ」とのこと。この時も「1スライドごとにやり直せるので楽でした」ということでした。

 つまり、オンライン講座用にデータをつくる作業は授業者の「説明力強化」にとても役に立つということです。10~20分間かそれ以上の説明をスラスラと説明するのは大変なことです。TEDでも有名なジョブスのパフォーマンスは社内で秘密練習を繰り返した結果です。そんなことで時間をかけるより、修正をかけて整理できたパワポ動画で説明する方が良い気がします。例えば「では、10分間の説明を教科書を見ながら聴いてください。終了後に質問を受けます」として動画を流せばよさそうな気がします。これにより、コンパクトな説明を実現し、説明時間が伸びてしまうという問題を是正できそうです。更に説明を聞いている時の生徒たちの様子を観察することもできます。

 この方法を継続指導している学校に提案していこうと思います。[この項続く]

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