「闇の伴走者」読了

【授業研究】かなりハードな1週間でしたが、飛行機・バスの時間もあったので小説を1つ読み終えました。「闇の伴走者: 醍醐真司の博覧推理ファイル (長崎尚志著/新潮文庫)」です。実に緻密に構成された推理小説です。「うん?なぜ?」「ああ、そうか」を繰り返させられました。退屈なバスの時間があっという間に過ぎてしまいました。

 この作品は動画配信サービスでたまたま観たドラマの原作です。何の気なしに見始めたのですが、わくわくしながら一気に最後まで観てしまいました。もう一つ気になったことがありました。このドラマは漫画の画稿がとても大事な役割を果たしています。ドラマの中ではその漫画が何度も出てきます。その画稿の中に事件を解決するためのヒントが秘められているからです。その埋め込み方も暴き方も実にマニアックで楽しめるのです。

 気になったのは「小説ではどうなっているのだろうか?」です。文字だけで構成されているのではなく、この漫画も掲載してあるのだろうか‥と気になったので文庫を取り寄せました。しかし、小説には漫画どころか挿入画ひとつありませんでした。これにも驚きました。画稿に組み込まれたトリックも全て文章で表現されています。この文章力の見事さにも感動しました。コミュニケーションスキルで取り上げられる「書くように話す」「語るように書く」に加えて、「見えるように書く」も心がけたいと思いました。

 私も何冊か本を書きました。時々は「読みやすい文章ですね」「理解しやすい文章ですね」とほめていただくこともあります。しかし、小説の作家のような文章にはほど遠いものがあることは自覚しています。「語るように書く」こともできていないし、まして「見えるように書く」は夢のまた夢です。

 しかし、教師向けの授業改善の本が小説のように楽しく読めたら、授業の様子が「見えるように書けたら」、もっと多くの先生たちが楽しく授業改善に取り組んでもらえるかもしれません。次の本はそんなことも考えながら書こうかな‥と思い始めました。

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