【授業研究】少し前の生徒向け授業で印象的なことがありました。4人グループの中に女性が1人でした。これ自体は大した問題ではないのですが、その生徒がほとんど他の男子と話をしません。表情も硬いのです。練習問題は前向きに取り組んでいます。解答解説や教科書を読みながら真面目にやっています。話すことは苦手なように見えます。
さて、どうしたものかと思いながら、定例介入をします。「チームで協力できていますか?」。他の男子は「あ、大丈夫です」「あ、質問していいんだった」と反応します。気になる生徒は無表情。「他の男子と話せる?」「いじめられていない?」と言ってみると、にこりとして「いいえ、大丈夫です」と答えてくれました。
しかし、その後も1人で黙々と続けます。「解答解説は見ていますか?」「はい、見ています」と続きます。交換して採点の時は、他の男子とにこやかに交換していて「100点と花丸」もつけていました。まあまあ‥かなと思いながら終了。リフレクションカードが気になります。彼女のコメントは以下でした。
1 態度目標について
「積極的に話せなかったのが残念でした。次回はもっと発言したいです」
2 内容目標について
「理解できました。ドップラー効果の仕組みを再確認できました」
3 その他
「普段から人と話すのが苦手なので急に班で話し合いと言うのは、
私にはハードルが高かったです」
このコメントがうれしかったのは「話すのが苦手。ハードルが高い」と自己開示をしてくれていることと、「次回はもっと発言したい」とチャレンジしようとしてくれていることです。彼女のことを気にしていた先生も「笑顔になったのでほっとしました」と言っていました。
この体験が彼女にとって良い体験になることを期待したいものです。
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