「振り返り」「メタ認知」‥指導スキルは?

【授業研究】e-ポートフォリオの学習会で気づいたのですが、何度も「振り返り」「メタ認知」という言葉が出てきました。最近は「総合的な探究の時間」でも「カリキュラムマネジメント」の話題にも登場します。

 これらの動きは私にとってはうれしいことです。2007年に物理授業を大幅に改善した時から私は「対話」を軸にし、「コルブの経験学習モデル」を基礎にして、「振り返りと気づき」を重視してきたからです。この構造は「メタ認知」と同じものです。

 当時はこれらの言葉は多くの方になじみがなかったので、解説するときにはあまり使わないようにしていたのですが、これだけ広がってくると使いやすくなりました。これもうれしいことです。

 しかし、同時に気になることがあります。それは基礎理論が異なることと、子どもたちが「メタ認知」や「振り返り」をする力をつけるための指導スキルが話題にならないことです。基礎理論の違いとはPDCAをベースにすると「振り返りと気づき」や「メタ認知」はどうもしっくりこないということです。「コルブの経験学習モデル」の方がしっくりするのですが、このことはあまり話題になりません。

 もっと重要なのは指導スキルです。授業者自身が自らを「メタ認知」する力を訓練できていない気がしますし、ましてや子どもや子どもたちにその力をつけるための指導スキルについてはほとんど論じられていません。「メタ認知しなさい」と命令しても何もできるはずがありません。「振り返りなさい」「気づきなさい」と指示をすれば強制になり、本来の意味での「振り返り」も「気づき」も生まれません。

 この1年間くらいの研究で私はそれらを実践的にも理論的にも解決しつつあると自負しています。研修会講師で伺いながら、その話を少しずつしています。「よくわかった」とリフレクションカードにコメントをいただくと嬉しくなります。これからは、このあたりに重点を置いた話を進めたいと思っています。新しい課題が見えてきました。

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