新しい波の出現

【授業研究】授業改善運動の「新しい波(第2の波)」について書き始めた時に、反転授業やZoomで有名な田原正人さんから、「新しいワークショップを開くので、その推薦文を書いてくれないか」と依頼がありました。その趣旨は、私が考えていたことにぴったりと重なることだったので、ね早速書いて投稿しました。このテーマに関するまとめと、投稿の記録を兼ねて以下に掲載しておきます。

〈推薦文〉

 今回のワークショップに推薦文を通して、授業改善の「第2の波の出現」についてお知らせし、更に「違いを学びの場にする」ことが喫緊の課題であることを述べることにします。

 まずは「第2の波の出現」の予感です。最近、私は学校を超えて集まる研修会に「初心者」が急激に増えたと実感しています。すでに、2~3年間授業改善・教育改革に関わっている人たちから見ると、一見後退したように見えるかもしれません。しかし私は、これは大きな前進の予兆ととらえています。

 私はこの2~3年間、様々なイベントに参加し、マスコミ等に登場した授業者は全教員の「1%未満」と推定しています(日本における「教員」はおよそ100万人。反転授業コミュニティー参加者5,400人などが推定の根拠です)。これに対して、ようやく教員の20%に当たる人たちが動き始めるときが来たと理解しています。それは学習指導要領の確定(小中学校はすでに確定。高校も今年中に確定の予定)と、各教育委員会の積極的なリードと研修会等の増加によるものです。尚、20%は「組織構成は2,6,2」からの類推です。

 この「第2の波」は「遅れてきた人たち」ではなく、大きな動きを形成する人たちです。地震波に例えれば、最初の「1%未満」の人たちは初期微動です。「第2の波」は主要動です。縦揺れをしていた「初期微動」が、うまく横揺れの「主要動」につながるかどうかが、大きなカギになります。

 1960年代から全国に吹き荒れた学生運動・革命運動は赤軍派浅間山荘事件で終焉しました。これは「初期微動」が分裂抗争を繰り返し、「跳ね上がり」「大衆に見放された」結果です。似たような事例は歴史上に散見されます。最近の国内の教育界でも「カウンセリング」「キャリア教育」「道徳教育」にその傾向が見られます。この轍を繰り返さないでほしいと切望します。

 そのために必要なことが、まさに「違いを学びの場にする」ことです。具体的には2つの側面があります。1つは「初期微動」の人たちが相互に深い理解をして力を高めることです。「仲間意識」が「対立を恐れ」、「異見を封殺する」、ことにならないよう気を付けることです。もう1つは、あとに続く人たちから「浮き上がらない」、「疎まれない」ことです。

 この両面で必要なのが「対話」です。「対等な人間関係」「安全安心の場」を基盤として、「違い(対立物)」を統一して止揚することです。対話の簡単な定義は「一人ではできないアイデアや結論にたどり着くプロセス」です。今回のワークショップが、まさにそういう場になることを期待しています。それを実現できる場であることを信じて、推薦します。

※田原さんのワークショップはこちら

https://peraichi.com/landing_pages/view/kyoto-hub-workshop

※小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。→http://al-and-al.co.jp

◎「入門2」はこちら→ https://www.amazon.co.jp/dp/4382057477

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