次の本と「第2の波」?

【授業研究】講談社刊「「図解わかる本」「図解できる本」に続く、図解シリーズ第3巻の打ち合わせが始まりました。来年3月には発売予定です。

 その席上で私が話したのは「第2の波」の予感です。それは、最近開いたセミナー・研修会に参加した人たちの反応から感じていることです。私がアクティブラーニングや授業改善をテーマにした研修会講師を務めるようになったのは、2007年に「新しい授業」を始めた時からでした。特に定年退職した2013年からは増加しました。翌年(2014年)の暮れに諮問で「アクティブ・ラーニング」の言葉が登場してからは急増しました。

 色々なイベントにも参加しました。そこで多くの人に出会いました。一見、「多くの人たち」が取り組み始めたように見えた授業改善でした。しかし、そのうち、色々なイベントで出会う人たちが重なっていることにも気づきました。そこで私は「活動しているのは全教員の1%未満の人たち」ではないかと言い始めました。(全教員は約100万人と言われています)

 ところが最近の研修会では「初めて小林さんの話を聞きました」「小林さんの本を読んでみます」「まだ私の学校ではそんな動きは全くありません」「やろうと思っても校内は否定的雰囲気です」などの声が多く出てきました。一見、数年前に逆戻したような感じがします。

 私はこれを「第2の波」が動き始めたと解釈しています。つまり、反応の良い(良すぎる?)「1%未満の先生たち」に対して、その下にいる「20%の先生たち」が動き始めたという理解です。この20%はマーフィーの法則などで出てくる「2,6,2の法則」の上位20%の意味です。組織の「意欲的・活動的な層」です。その背景には学習指導要領の確定、教育委員会の指導の広がりがあると思います。良いことです。この層の人たちが動き出し、成果を上げることが、「大きな動き」になります。

 しかし、問題もあります。この「第2の波」で動く人たちの人数は、これまでより遥かに大きな人数です。これらの人たちが、「実践に成功し」「成果を上げ」「更に意欲的になれば」、大きな牽引力になり、その次の「60%の先生たち」も動きます。しかし、逆の結果になれば、「60%の先生たち」が動き出す前にこの動きは衰退してしまうかもしれません。そうなったら、授業改善運動は「次の諮問」ではトーンダウンしてしまうと危惧しています。

 そのタイミングでの「新しい本」の話です。私は「第2の波」の先生たちに向けて作ろうと考え始めました。反応良く動き始めた「1%未満の先生たち」よりも、「第2の波」の先生たちは慎重です。毎日の仕事に忙殺されて情報にも疎いかもしれません。新しい活動するための余力も少ないかもしれません。それらの先生たちに、私のこの数年の体験と学習を踏まえて、「より丁寧に」「より簡便で」「より効果的な」、踏み出し方を提示しようと思います。

 尚、「第2の波」の出現にはもう1つの問題も発生すると思っています。これについては別項で論じることにします。

※小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。

  →http://al-and-al.co.jp

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