〈4   授業者のスキルを明示する構造が不可欠〉

【授業研究】末尾に示す「オープン講座11/11(土),12(日)」の特徴とそれに込めた私の思いを記します。

〈4   授業者のスキルを明示する構造が不可欠〉

  授業改善をテーマにした研修会で、参加した先生たちを生徒役にして「授業体験」をメインにすることが多くなりましたが、その方法で気になることが多々あります。ここでは「スキル」について取り上げます。

 私は授業の質を支えるのは「授業者の人格や人間性ではなく、スキルである」ととらえています。スキルととらえると「誰でも練習することで身に付ける」ことができます。この視点に立つと、問題解決の視点が実際的なものになると思っています。

 この視点に立って「授業体験」をメインにしている研修会を眺めていると、授業者は自分が使っているスキルを明示することがほとんどありません。ましてや、そのスキルを自分が使えるようになるのに、どんなトレーニングを、どれくらいの回数(年数)繰り返してきたのかを説明することは皆無に近い状態です。

 ICT機器や手持ちホワイトボードなどのような見てすぐにわかる「道具」を使っている時は、それらを使うためのスキルが必要だということはわかりやすいのですが、「対話のスキル」になると参加者が見過ごしてしまうスキルが多々あります。例えば、説明するときに声の高さや話すスピードや間を意図的に変える授業者がいます。或いは、全体に向かって説明する時と個別に質問する時と生徒の質問に答える時で、立つ位置を変える授業者もいます。そのスキルが説明を聞きやすくしたり、生徒の安心感を高めたりしています。しかし、滅多にそれらについて解説してくれることはありません。

 私はこれをできるだけオープンにしています。授業展開の意図、説明の方法、特に「質問で介入するスキル」などを明示しています。質問してくれれば、そのスキルを使うようになったきっかけ、トレーニングの工夫、使えるようになるまでの回数や期間、気を付けるべき点などについていくらでも詳しく説明します。残念なことに、スキルの視点から質問してくれることはあまりありませんが‥。

 要するに、指導する人には参加者に「スキルの構造」を説明して欲しいということであり、参加者には「その授業者がどんなスキルを使っているかに注目する」ことをして欲しいということです。 

◎以下、「新しい講座」の案内です。

★「入門講座1」2017/11/11(土) 16:00~19:00     東京・恵比寿

  「こくちーず」はこちら→ http://www.kokuchpro.com/event/ALK1111/

★「入門講座1」2017/11/12(日) 13:30~16:30 東京・恵比寿

        「こくちーず」はこちら→ http://www.kokuchpro.com/event/ALK1112/

 ◎「入門2」はこちら→ https://www.amazon.co.jp/dp/4382057477

f:id:a2011:20170719070800p:plain