〈3 授業体験はロールプレイの発想で行うとうまく行く〉

【授業研究】末尾に示す「オープン講座11/11(土),12(日)」の特徴とそれに込めた私の思いを記します。

〈3 授業体験はロールプレイの発想で行うとうまく行く〉

 私が長年いそしんできた「カウンセラー養成トレーニング」では、「ロールプレイ」を多用します。多くの場合は「カウンセラー役」と「クライアント役」に分かれて、カウンセリングを行います。

 この時、「クライアント役」は「女性、30歳、会社の上司のパワハラで悩んでいる」程度の役割を設定します。それ以外は、「クライアント役を務めるその人」の感じ方で答えていきます。「カウンセラー役」も「社内の保健室に非常勤で務めているカウンセラー」程度に設定して、あとはその人の判断でカウンセリングを進めていきます。授業体験では「授業者役」と「生徒役」に分かれています。このように集団で行うロールプレイを「状況的ロールプレイ」と区別する場合もあります。 時には「真面目な生徒」「話すのが苦手な生徒」「じっとしていられない生徒」などの役割を割り振ることもあります。

 さて、このようなロールプレイを行う目的は、「授業者役」「生徒役」を「その役になり切って体験すること」をやった後で、「振り返りと気づき」を得て、授業者としての腕を上げるヒントを得ることです。そのためには「なりきる」ことが重要です。

 ところが、これが意外にできないのです。多くの場合、「授業者役の先生」が、「生徒役の先生たち」に対して、「ここで普段の授業では生徒の何人かを指名するのですが、今は先生たち相手には失礼かと思うので省略しますね」などということがあります。これは「ロール」を脱ぎ捨てていることになります。そうすると「生徒役の先生たち」も「そんなときに、どんな質問をするんですか?」などと質問し始めて、自分自身に戻り「ロール」を脱ぎ捨ててしまうことになります。

 これがしばしば入ると、「授業者役」「生徒役」としての継続的なロールプレイができなくなるので、「生徒役」としての感じ方の変化のプロセスを把握しにくくなります。そうすると「振り返り」を行っても、「気づき」が浅いものになってしまいます。

 もうひとつこれらを観察し続けていて気付くことがあります。それは、先生たちの「授業中の生徒に対する話し方」です。多くの場合、先生たちは生徒に対して「おい、お前、わかってるか?」「〇〇ちゃん、これわかる?」などと、砕けた話し方で授業を進めていらっしゃるようです。そうしている先生たちは「生徒役の(大人の)先生たち」を相手には「いつものように」話せなくなるようです。結果、「普段とは異なる話し方をする」ことになります。そのぎこちなさが、「生徒役の先生たち」も生徒役に没頭できなくなることになります。私はそういうときには「いつものように」、「砕けた話し方」をする方が良いと思っています。そうすると、その話し方で授業をしたときに「生徒役」がどう感じるかを知ることができます。

 私はどうしているか?私は高校生相手の時も、大学生相手でも、大人の先生たち相手でも、いつでも、「丁寧に、同じ話し方」をしています。だから、「授業者役」をしても「話し方が変わることはありません」。 私は生徒たちを「尊重」するのであれば、大人に対するのと同様な話し方、接し方をするべきだと思っています。

 ◎以下、「新しい講座」の案内です。

★「入門講座1」2017/11/11(土) 16:00~19:00     東京・恵比寿

  「こくちーず」はこちら→ http://www.kokuchpro.com/event/ALK1111/

★「入門講座1」2017/11/12(日) 13:30~16:30 東京・恵比寿

        「こくちーず」はこちら→ http://www.kokuchpro.com/event/ALK1112/

 ◎「入門2」はこちら→ https://www.amazon.co.jp/dp/4382057477

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