弁証法が注目されている?

【授業研究】原稿を書くために文献を調べていたら思わぬ発見をしてしまいました。探し求めていた著者の論文を掲載していたのは「ハーバード・ビジネス・レビュー」でした。この本を見るのは初めてです。びっくりしたのはその号のテーマです。
 何と 「「弁証法」思考 超ロジカルシンキング」(2007年4月号) です。どこに驚いているかというと「弁証法」です。私は学生のころから物理学と武道論を通して唯物論弁証法をかなり深く学んできました。しかし、唯物論弁証法=マルクス主義という連想が働くのか、そもそもヘーゲル弁証法が難解すぎるせいか世間ではあまり通用しないと感じていました。アメリカでは日本よりレッドパージが激しかったためか弁証法という用語はほとんど出てこないと感じていました。
 それなのに一流誌が「弁証法」を取り上げているのに驚いたのです。少し前に久しぶりに会った知人が「最近はアメリカの論文にも弁証法が登場するようになりましたよ」と言っていたのはこのことかと納得したものです。
 偶々、大学で細々と続けている「哲学カフェ」のテーマは弁証法にしようかと学生と話を深めています。私は弁証法がテーマでは偏りすぎるかなと感じていたのですが、私の得意分野で学生が興味を示したのがこの分野だったので、「まあ、いいか」と決めたところです。しかし、もしかしたらビジネス理論の先端に関わることになるかもしれません。それならラッキーだと感じています。久しぶりに本格的に弁証法を学ぶ意欲が高まってきました。