沖縄県立豊見城(とみしろ)高校に伺いました。

【授業研究】夏に続いて2回目の訪問です。校長先生の依頼もあり、「授業中の声掛け」に重点を置きました。その前に、生徒向け物理授業を見学してもらい、その内容を解説しながら、「主体的・対話的で深い学びの実現」に向けて解説しました。
 私の持論は「主体的学びは対話的な学びを促進する働きかけによって実現する」です。これは直接的には「生徒と生徒の対話的な学び」を促進することを指しますが、そのためには「授業者と生徒の対等な関係に基づく対話」を実現することが重要です。
 そのための考え方やスキル、トレーニング方法は別に述べることにします。昨日は、特に次のことに重点を置いて解説しました。それは、「授業者の(定年)退職後のキャリア形成上のメリット」です。「先生と呼ばれる仕事についていた人」や高い役職についていた人たちが介護施設などで辛い思いをしていることをよく聞きます。周囲の人たちを傷つけているとも聞きます。それは長い間「上下関係の上からの指示・命令・評価すること」になじんできたために「年下の人たちとの対等な人間関係に基づく対話ができない」からだと私は推察しています。
 授業中に生徒たちと「対等な人間関係に基づく対話」を積み重ねながら、「生徒たちの知識技能の定着を高め、生徒たちの学習意欲を高める」成果を上げることができたら、授業者は誰とでも「対等な関係に基づく対話」ができるようになります。これは退職後に誰とでも協働することができるようになり、社会貢献もできるし、個人の幸福感も高まるし、介護を受けるようになってもトラブルとストレスが少なくなると思っています。
 特に50代の方に申し上げたいことです。人生は60歳で終わりではありません。あと、20〜30年、もしかしたら40年もあります。これは大学を卒業してから仕事をしてきた期間と大差ありません。その「次の人生」を心豊かに生き抜く力を蓄えるために、「授業改善」を進めましょう。私たち自身が「主体的で対話的で深い学びを実現する」ことこそ、大事なことです。「自分の人生を豊かに築くこと」が「生徒たちの人生を豊かにすることを支援する原動力」になります。