コンセンサスゲームの効果を上げるコツ

【授業研究】授業改善を進める際に「1人でウンウン考えるより、みんなでワイワイ考えた方が理解が深まる」ことを生徒に体感してもらうために、私はコンセンサスゲームを利用してきました。あちこちで紹介したこともあって、多くの方が試してくれているようです。ワークシートのダウンロードも増えています。
 しかし、時には「グループの結論の方が個人の結論より点数が上がるという結果にならないんですよね」「半々くらいだったりすると説得力に欠けるんですよね」「グループの方が点数が下がることもあります」などの話も時々聞きます。詳しく聞くと、同じワークシートを使っていても、私との違いは「進め方」にあるようです。ざっとまとめておくと以下の点にあります。
・ワークシートの配布をできるだけ素早く行う。(もたもたしていると緊張感と集中力が不足)
・配布ののち生徒同士がおしゃべりを始める前に「状況」を読み上げる。
・そのまま個人作業に進めて、相談をさせない。
・個人作業は3分。短めに設定するのがコツ。
・個人作業が時間内に終わるように机間巡視をしながら「あと2分」「あと1分」「あと30秒」と声をかける。(この作業の時はタイマーを見る余裕がない)
・遅い生徒がいるのでその生徒には時々声をかける。
・終了時に「まだ終わっていない人は?」を確認する。
手が上がったら「あとどれだけで完成しますか?」「あと1分」「じゃ、あと1分追加しますね。他の人は黙って待っていてね」などのやりとりをして、「絶対に」全員に個人作業を完成させる。
・グループ作業のルールを明示する。
・ルールは「じゃんけんはダメ、多数決もダメ、1人が仕切ってもダメ、黙っている人を一人でもほおっておいてはダメ、必ずみんなで納得してからやること」。
・グループで話し合う時間は「一覧表をつくる時間」も含めて20分間。「一覧表をすばやく作ることがコツ」と指示して、テンポをあげる。
・この作業中はタイマー表示が効果的。
・更に机間巡視を細々と行う。「まだ1つしか決まっていないの? 間に合わないかも」「あと10分、かなり急がないと間に合わないよ」「時間内に決まらないと、全員死亡ですよ」などの声をかけて、急がせる。
・それでも終わらないチームが出たときは、個人作業の時と同様にして全チームを終わらせる。
・最後の点数確認は全員が計算終了したことを確認してから、手を上げさせる。

 ある先生にこのアドバスをしたところ、「グループの方が点数が上がった生徒」は72%から92%に上昇した(下がった生徒は1人)とのことでした。お試しください。