「大人を生徒役にして授業をするのが難しい‥」(3)

【授業体験】なぜ一部の先生たちは大人を生徒役にするといつものように授業をすることができないのだろうか?今のところ2つの理由が思いつきます。
 1つは「普段は違う話し方をしている」です。生徒に対して「いいか、お前たち〜」と乱暴な話し方をしているか、「あのね〜、これは〇〇でしょ。もう一度、言いますね〜」と猫なで声の説明をしているか、なのではないかと思っています。
 いずれにしても、大人の先生たちを相手に、「普段の授業をやってください」と言われても、さすがに大人相手に「乱暴な話し方」も、「猫なで声」もしにくいので、ぎくしゃくしてしまうのではないかと思います。小学生や中学生にはそれなりに優しい説明は必要なのだとは思いますが、「乱暴な話し方」と「猫なで声」はいかがなものかと思います。私は「大人に通用しない指導の仕方」は結局のところ「子供だまし」だと思っています。
 逆に言えば、大人に通用する指導方法や解説方法を訓練すれば、生徒向けの説明の良い訓練になると思います。私自身も、大人向けの研修会をするようになってから、授業の説明がうまくなったと感じています。
 もう1つの原因は、授業者は自分の「授業方法を伝達するためには、説明をしなくてはできない」と捉えているのではないかということです。これが案外、AL型授業を推進するときの大きな壁になっているではないかと思うのです。(この項続く)