「感情の意識化」と「共感的質問」(1)

【授業研究】岐阜でのALセッションに関して以下の質問をいただきました。

> …振り返りの時、「気持ち」をたどっていくのは、どうしてなんだろう?
> 論理的に会議をする、のに、何故感情なのかな?
> の理解としては、ALの目的が、その先の各自の行動の変化にあることから、
> 行動を起こすエンジンである気持ちにこだわっているということでしょうか?

「行動を起こすエンジンである気持ちにこだわる」という理解はその通りです。
例えば、小さな子どもが好きな友達に意地悪な行動をすることがあります。
これなどは、自分の感情を自覚していないので、感情と行動がずれているのです。
大人の場合にこのようなことが長い間続くとうつ病神経症の発症の可能性すらあります。
そこでALセッションでもメンバーの感情は大切にします。
しばしば感情に焦点を当てた質問が大きな「気づき」を促します。
その理論的背景が「感情の意識化」、ALセッションで大事な行動規範が「共感的質問」です。
 まずは「感情の意識化」について。私たちは意外に自分の感情を自覚していません。
次々と仕事をこなす中で自覚する余裕がなくて通り過ぎていたり、
自覚したくない感情を無意識のうちに押さえ込んでいたり(「抑圧」フロイト)、することがしばしばです。
それを自覚することを「感情の意識化」と言います。これが重要になります。
 では具体的にどうするか。「言語化する」ことです。言葉に出すことです。
そのための「質問」がとても有効になります。具体例は以下です。
「あなたは今、どんな気持ちですか?」
「ずーっと質問を受けていてどんな気持ちですか?」
「その人に対して本当はどんな感情ですか?」
「その人のこと好きですか?」
「朝、職場の部屋にはいるときどんな気分ですか?」
「その仕事を本当にやりたいのですか?(意志に焦点があたる事もありますが)」…。(この項続く)