「しくみ」「しかけ」「教え方」「支え方」を意識してヒントを探る

【「授業研究方法」のアイデア3】私が授業研究の方法を変える必要があると思いついた第1の理由は「授業者を傷つける研究協議」を絶対につくりたくなかったからです。これには様々な思いがあります。第2には「アクティブラーニング型授業」を授業者が実施した場合に、これまでの方法では全くそぐわないことに気づいたからです。
 従来の方法では見学者の視点は大半が「授業者のパフォーマンス」に注がれます。「話し方は適切か」「板書は見やすいか」です。生徒に関しては「私語がないか」程度の観点しかなかったのではないかと思います。これでは、「AL型授業」を見ると「何もわからない」ことになります。
 実際、現役の時に私の授業が評判になり、多くの人たちが観察・見学に来てくれました。比較的若い人たちは「こんな授業を受けたかった」などと感動してくれました。しかし、ベテランや、大学教授や管理職や教育関係の要職にある人たちの評価はそっけないものでした。曰く「生徒たちが熱心に話し合って勉強しますね」でした。私が何をしているから、生徒たちがそうなったのかという視点が全くなかったのだろうと思います。
 それらの経験から「教師活動の構造化」を思いつきました。この四つの観点から、「何がこの授業を支えているのかを考えてもらおう」としたわけです。そうすると自分のヒントを得やすいのです。その四つとは「しくみstructure」「しかけdevice」「教え方 how to teach」「支え方 how to facilitate」の4つです。それぞれの詳細は次回にします。(この項続く)