考え続ける力はどうやってつくるのか?

【授業研究・目的3】「科学者になる」という目的は大成功でした。生徒たちはこの目的を喜んでくれました。「大学合格なんて言われたら、つまんないもの」「なんか一生の勉強の目的みたいな感じだよね」という具合でした。
 しかし、しばらくするとこれがただの看板になっていることに気づきました。そのことと、授業の中身はあまり関係していない気がしてきました。看板を掲げただけでは、「科学者」に必要な「考える力」「考え続ける力」が身につくとは思えないのです。
 そんな時期に私が出会ったのは、デヴィッド・ボームの「ダイアローグ〜対立から共生へ、議論から対話へ」との出会いでした。物理学科を出た私にとってはボームはなじみの深い人物です。物理の教科書に出てくる人物が「対話」について書いている? とても不思議でした。読んでみると、とてもよくわかります。理論物理にいた私にとっては、それはゼミで続けていた議論のしかたそのものでした。
 調べてみると「対話」の重要性は様々な人たちが取り上げていました。