「アクティブラーニング型授業」に教育相談のスキルと理論が役に立つ3

 「教育相談」「カウンセリング」の世界では「目の前の人(生徒)を大切にする」が基本です。
そのために「傾聴・共感」が強調されます。
「その人の気持ち」に寄り添い、「その人にとって必要なこと」を見つけようとします。
別の言い方をすれば「一般解より特定解」を大切にする、ということができます。
 「板書もしない、ノートもしない」という私の授業の特徴もその姿勢から生まれました。
私自身が最初から「板書・ノート」を否定していたわけではありません。
この授業を開拓している過程で生徒たちは以下のことを私に伝えてきました。
「先生が黒板に書いている時間はやることないんだよね」
「その時間は考えが止まるから、いや」
「先生が板書するのが終わるのを待っているのは単純に時間の無駄」
「ノート取る時はあわてて黒板を写すだけ。意味ないと思う」
などです。
 私はこのときに「一般的にはどうか」を考えるのではなく、「目の前の生徒たちの声」を大切にしたと言うことです。
試しに「板書・ノート」のない形を用意してみて、生徒たちの感想を聴くと大半が、
「これがいい」と答えたのでこの方法が定着してきたということです。
教師が持っている先入観や価値観を「一時的に棚上げにして」、目の前の人の話を丁寧に聴く、という「教育相談」「カウンセリング」で学んだ姿勢が役に立ちました。