アクションラーニングを授業改善に

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【授業研究】長くお世話になっている「日本アクションラーニング協会」代表のSさんから土曜日の夕方にメッセージが届きました。「Zoomで話したい」とのこと。偶々、週が明けるとなかなかその時間が取れそうにありません。結局、じゃ、日曜日の朝にしましよう、ということになりました。

 用件は「教師向けのアクションラーニング体験会をやりしたい」というものでした。そのためのプロモーションを実施しましょうというご依頼でした。私としては大賛成です。10年以上待ち続けていた機会です。

 「アクションラーニング(質問会議)」は私が高校物理授業を大改革する時の理論的にも技術的にもとても大きな役割を果たした「会議方法」です。ピーター・センゲが「学習する組織理論」の中で述べている「チーム学習」の実際と言われている方法です。私は10年以上前にこのアクションラーニングの勉強に力を入れ、コーチ資格・シニアコーチ資格を得ました。その後、物理授業の改革を実現し大きな成果をあげました。

 しかし、これを教師の皆さんに勧めるのはなかなか困難でした。最大の壁は「ビジネス向け」であること。学校教育向けにアレンジしてないことや料金が高いことなどが壁でした。多くの学校の先生たちに紹介したいと思いつつ、なかなか実現しませんでした。その意味でとてもうれしいお誘いです。詳細はこれから決めますが、みなさん以下の予定を空けておいてください。

1 オンラインライブ対談(代表Sさん?+小林)
  (1)日程12/13(月),14(火)  21:00-21:30?
     基本は事前視聴用動画(10分程度)+ライブ
  (2)テーマ案「アクションラーニングと授業改善」
     1回目(12/13) ALとの出会い
     2回目(12/14) 高校物理授業への展開

2 オンライン「アクションラーニング体験会」
  (1)日程 2021年2月6日(日) 時間未定(10:00~13:00かな?)
  (2)内容 講義と体験会

 詳細はこれからお知らせしていきます。ぜひ日程を空けておいてください。

動画のスキルをほめてもらえました

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【授業研究】数年間つながりが途絶えていた某社のトップのAさんと、大学を退職した昨年春ごろから再び交流が始まりました。夏ごろからは色々な仕事の依頼もいただくようになり、私の実践的な研究の大きな支えにもなっています。

 いただいている仕事の大半はオンラインです。オンラインの連続講座やオンラインで遠隔地の学校の授業改善を支援しています。オンラインが中心なので、講座のための動画作成が増えました。すでに私が昨年(2020年)4月以降にアップした動画は150本を超えました。おおむね15ヶ月で150本ですから、毎月平均10本の動画を作成していることになります。毎週2本?計算した私が驚いてしまいます。

 そのAさんに依頼されていた動画の締切は先週木曜日でした。その少し前から何となく慌ただしい状態になっていた私には、その当日だけしかこの作業に充てる時間がなくなっていました。それなのに急ぎの文書作成が飛び込みその作業終了が朝10時。それから動画作成にようやく着手。目標は17時までに送信。指定されている長さは「約10分程度」。かなり頑張って終了、送信したのは16時半。動画の時間は11分18秒。まあ、許容範囲だと理解して満足。そのAさんからの返信メールの要約は以下です。

「バッチリです!うまくまとめられていて助かります。
 小林さんの動画のスキルは目覚ましい
 進化を遂げていますね!
 私はこの1年ほど、小林さんの動画を見続けてきたので、
 その成長を実感しています」

 なんともうれしいメールです。今回の動画は1分18秒時間をオーバーしましたが、もう1時間くらいとれば、10分ジャストにそろえることができました。この作業をしながらスタート時からいくつかの工夫をすればもっと簡単に時間調整できることも理解できました。自分自身でもスキルは向上中だと感じます。

 すでに若い人たちTikTok等で短い動画で自己表現することを当たり前のように実践しています。これからは動画作成スキルは誰にでも必要なスキルになりそうです。私はコロナ禍でオンラインが増えてやむなくチャレンジしたのですが、1年やれば「できる」ということを実感しました。皆さんもチャレンジしましょう!

ハードで楽しい1日

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【授業研究】もう7~8年お世話になっている京都の和束中学校に伺いました。始発で移動し、午前中はお隣の小学校を訪問。子供たちが端末を持ち、異学年の交流授業もあり、意欲的な取り組みを楽しみました。

 午後はかなり挑戦的な「中1,2,3年生の異学年授業」というより「全校生徒参加授業」。人数の少ない学校だからできる授業です。担当の先生と話して「もっと思い切ったことに挑戦して見よう」とことになりました。私も考えるのが楽しみです。
 その後は講義。いつものように「質疑応答」の時間をたっぷり。小学校の若い先生がたくさん質問してくれました。終了後も質問してくれたのはうれしいことでした。

 夜は、少人数で食事会。私はノンアルコール。他の人たちは車なのでノンアルコール。なんだかこの方式に慣れてきました。夜は温泉付きホテルでゆっくり。

 さて土日は月刊誌連載の原稿書きです。今月の締め切りはいつもより10日以上早いので少し焦ります。テーマは決まっているのですが、今回は複数の表を入れるので字数調整が面倒です。早めに書かないと‥。

ゲリラZoomミーティング

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【授業研究】オンライン連続講座に20名余の人たちが参加してくれています。そのメンバーの1人=Aさんが「新しいオンラインツール」を私の想定外の使い方をしていたので、「何に使ったの?」と質問すると「レポートを書くために使った」とのこと。興味津々です。「Zoomで聞かせてください」とリクエスト。すぐに設定しました。
 それに前後してBさんからも「質問があります」とのチャット。私の出張の経路に住む人なので「途中下車して会いましょうか?」と日程調整していたのですが、なかなかうまく予定が合いません。その途中でAさんとのゲリラZoomミーティングの日時が決まったので、「そこに合流します」。

 上記の話は昨日(11/25)の昼過ぎの話。ゲリラmtgは20時開始。メンバーのSlackに案内して、その数時間後に開始。にもかかわらずに、何と7~8名の方が参加。楽しく約1時間半のやりとりをしました。実を言えば私は前夜から当日まで大忙しでした。緊急のレポートを書く必要かできて昼頃までに約6ページを仕上げ、次は講義動画の作成に取り掛かっていました。この仕事を頑張って夕方に仕上げてほっとひと息。かなり疲れていたのでひと眠り。20時の30分前に起きて準備。

 結果はとても楽しい時間になりました。私が「新しいオンラインツール」のために改良を重ねて確定した「タグ」がレポート作成にも役立つことがわかりました。これは驚きました。しかし、「自分の意図・意識を振り返る仕掛け」をしているのですから、ある意味では当たり前でした。とはいえ、うれしい発見でした。

 また、こんなゲリラZoomミーティングも楽しいものです。やみつきになりそうです。

やっぱり個別指導?

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【授業研究】空手指導者として活躍していた時も、組織的な授業改善を支援している現在も、ぼんやりと描いているイメージは「自立・自律する組織」です。全体に対して少し声を掛けると、組織全体が有機的に動いていく‥それが理想だと感じ続けていました。

 しかし、空手指導者としての現実は少し違っていました。確かに「自立・自律的に」組織は動き始めました。しかし、私が個々人に対する働きかけをやらなくて良くなったかというとそうではありませんでした。組織が発達することで、個々人の課題も変化していきます。私が教えるべきことも変わります。これはこれでとても楽しいことでした。

 現在、いくつかの学校の組織的授業改善支援をしています。うまく進み始めた学校は「組織が動き始めた」と感じる面が多々出てきます。しかし私が手放して良いわけではありません。私との関わりが少ない人が停滞してきます。逆に言えば、関わりが増えた人は力強く動きます。まあ、当たり前のことです。

 このことを実感する出来事がこの1~2週間の間に続けて起きています。以前に比べればインターネットを介して多くの人たちの交流を持つことができます。個別に対応することもできます。その方が私の頭も働く気がします。

 色々な締切に追われて活動していますが、その合間を縫って色々な人たちと個人的に話をする時間をできるだけ作ろうという気持ちになってきました。基本は1対1のコミュニケーション。それを土台にグループや組織を支えていくものなのだろうなと、改めて感じることができました。

講師依頼が研究の進展につながる

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【授業研究】ありがたいことに来年度の講師依頼を少しずついただいています。その中で偶々、2か所から似たような依頼があり、考える機会になりました。
 依頼の内容は「初任者対象の研修会」「ミドルリーダー対象の研修会」です。気が付いたのはこの2つは「異なるテーマ」として設定されていることです。ついでに言えば、この先に今回の依頼にはありませんが「管理職向けの研修会」もあります。

 この3つの研修テーマの中に「教科授業」という項目は普通入っていません。一昨年度の某社からの依頼には「2年目に担任なる人が多いので、1年目に担任になる力を身に付けて欲しいのですけどね‥」という内容が入っていました。そこで私は「教科授業のスキル」を「担任スキル」につなげられるように「鍛えなくてはならない」と主張しました。偶々「基本スキル・基本パターン」という発想を得ていた時でした。

 この私の意見を担当の方が喜んでくれたので早速にこれを取り入れました。これは初任者の皆さんに好評でした。多くの皆さんは「授業者スキル」と「担任スキル」は別物ととらえていたようなので、「授業の腕を上げることが担任になる準備になるとわかって前向きになった」などの感想が続出しました。

 また、今年度、某県の校長先生向けの研修会でも「教科授業」をテーマの1つに取り上げました。それは校長として全教科科目の授業を見なくてはならないのだけど、「自分の専門以外の教科を見て指導するのは冷や汗」という悩みが打合せの段階で出ていたからです。そこで私は初任者にも教えていた「基本スキル・基本パターン」を基にすればよいことを教えました。
 この「基本スキル・基本パターン」は「何を教えるか」というコンテンツ(学習内容)よりもプロセス(生徒の学び方・教師の授業の進め方)に重点を置いているので、「どの教科にもほぼ共通している」からです。

 要するに私は「初任者研修」「管理職研修」にも「教科授業」を取り入れました。教科授業に必要なスキルを「担任スキルにつなげる」「管理職としての指導スキルにつなげる」という視点で指導していたということです。この視点に立つと「ミドルリーダー対象」の「授業者スキル」に関する課題設定は簡単です。「実践者として授業者スキルを高めつつ、指導者スキルも高める」ことになります。
 しかも、このプロセスはすでに「技術論・上達論」の視点からほぼ解明してあります。技術論・上達論を基にして「授業者スキル」や「教師スキル」を説明できるところまで来たのは、2~3年前からです。そのタイミングで、その成果を活用できる講師依頼をいただいていることになります。ありがたいことです。来年度に向けての楽しみが膨らみます。

 

 

動画作成難しさと楽しさと

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【授業研究】先日丸一日かけて研修会で使う動画を作成しました。新しいオンラインツールを使って「教科授業」の「質的向上」と「教師の負担軽減」にチャレンジしようという試みのための実験です。狙っていたことは2つあります。

 1つは「内容」です。授業用にと言っているのですから、高校の教科書にありそうな内容にしたいものです。しかし、参加する高校の先生たちが既に知っていることばかりではつまらなくなりそうです。そこで「みんなが知っていること」「物理を取っていなかった人には新鮮だけど、ついてこられる内容にすること」「物理を取っていた人でも案外知らないことが含まれていること」を狙いました。

 この欲張りな内容を満たすための工夫は以下です。テーマは「ドップラー効果宇宙論」。救急車のサイレンや列車の警笛の動画を見せて確認したうえで、音波の原理を基にしながら「波長が変化する理由」を知ってもらいます。ここまでは高校物理の内容。それに加えて「光でもドップラー効果が起きること」「天文学では赤方偏移の発見が大事件だったこと」などを知らせて、「宇宙膨張」が想起され、「ビッグバン理論」につながっていく‥というストーリーです。ついでに「宇宙は無限」とい世界観は実は最近の宇宙観であることや、「天の川という実体はない」ことにも触れて、「へー」と言わせようということも試みました。

 2つ目は「時間制限」です。オンライン研修会の1部の時間を割いて行うので、それほど多くの時間をとることは出ません。打ち合わせ会議では「10分間」の時間をもらいました。上記の「内容」から想像してもらえると思いますが、解説・動画等々がかなりたくさんあります。これらをどうやって10分間に入れ込むのか‥苦労しました。ざっと作ってみた試作版は15分間。これをもとにあちこちを削ります。これをやって気が付いたのは、説明は簡潔にしようとして見直すと、無駄なところが案外多いこと。結果は10分40秒。ま、いいか、というところです。

 これができたのでついでに遊びで1分間の予告編も作成しました。これは動画を切り貼りして字幕で解説を入れると楽なことを以前に学んだので簡単。字幕表示時間を調整することもうまくなりました。面倒なことも多々ありますが、10年以上前には朝から晩まで取り組んで3~4日かけていたことが数時間でできることがとても楽しくなっています。今日からもう1つの動画作成にチャレンジします。また腕を上げたいものです。