技が見えてくる‥

【授業研究】最近、「授業者スキルの体系化」を考え続けています。考え続けていると、講師として体験授業を指導している時も「授業者」として何をやって見せるかを意識します。他の先生たちの授業を見学するときは私と異なる点を意識し続けています。

 そうしていくことで、だいぶわかってきたことがあります。ほとんどの先生たちは「そうやるとグループワークはうまく行かなくなる」と思われることをほぼ確実にやっています。無意識にやっている人もいますし、意図的に一生懸命にやっている人もいます。そのことが最近、急に明確に見えるようになってきました。

 これは空手を始めたころの体験によく似ています。私は空手部に入部して練習を始めてからしばらくして膝を痛めてしまい練習ができない時期が続きました。それでも怖い先輩たちは欠席を認めてくれません。出席して「見学しろ」と言われていました。この時に、しばしば上級生の試合を見学することができたのはとてもラッキーでした。

 最初のうちは先輩たちの試合を見ていても何の技が決まったのは全くわかりませんでした。手技が決まったのは足技が決まったのかすら見えないのです。見えないのに、時々は技を受けた側の選手が倒れることもあります。(防具付き空手なので実際に当てます。強い打突だと倒れることもあります) それくらの強力な攻撃技すら見えないのです。これはショックでした。

 膝のけがは長引き、見学は半年くらい続きました。ひたすら見学するために道場に通う日々でした。すると2~3ヶ月したあたりから、徐々に技が見え始めました。半年後には連続的な攻防のシーンでも両者が繰り出す数本の技が全部見えるようになってきました。技が決まったのか外れたのかもわかるようになりました。しかし、これはある程度基本技を身に付けていたからだと思います。技の種類を知っているから見えてくるのだと思います。

 今の私はグループワークに必要な技の体系化を考える中で、いわば基本技や技の使い方を一つ一つ分類し始めています。空手のたくさんの攻防の途中で繰り出されている技に「〇〇突き」「▢▢蹴り」と名付けていくようなものです。それができてきたので、明確に「見える」ようになってきているのだと思います。

 経験主義的に新しい授業を始めてから12年、講師として指導したり見学し始めてから6年‥ようやくもう一段階前進できそうです。