スーパーバイザーの役割

【授業研究】逗子市教育委員会のスーパーバイザーを務めて2年目になります。「何をやるのか」が明確には定義されていない役職です。そのポジションでの「私の強み」を活かした役割が見えてきました。

 まずは何が難しいか‥について説明しておきます。逗子市には市立高校はありません。従って、5つの小学校と3つの中学校が指導対象になります。それぞれの学校はこれまで独自に授業改善研究を行ってきていますから、これはこれで継続してもらっています。つまり、それぞれの学校で研究対象とする教科を設定し、その教科の指導者を大学教授や市教委の学校指導員などの立場にある人たちに依頼しています。これまではそれだけの構造で進んできていたところに、新たに「スーパーバイザー」が設置されたということです。

 現場の先生たちも混乱したようです。私もこの構造が明確に理解できたところで焦りました。それは指導の二重構造です。各学校の「教科指導の指導者」がいて指導しているのに、更にスーパーバイザーが入るのですから、最悪の場合、この両者の意見が食い違うことがあり得ます。これでは現場が混乱します。だからと言って、実質上何も言わないというのは私の性格が邪魔をします。

 しばしば見聞きしますが、公開授業などの場で「指導助言」の立場つく人が以下のようなご挨拶をされます。

「いやあ、素晴らしい授業でした。この準備に関わった、校長先生・学年や学年外の先生‥‥おつかれさまでした‥素晴らしい授業でした‥私は何も申し上げる立場ではないのですが‥子どもたちが生き生きとしていました‥普段の皆様のご指導の賜物です‥お疲れさまでした‥」

 これは私にはできないということです。

 で、わかったことです。先日来書いている「授業者スキルの体系化」や「トレーニング・メソッドの開発」が役に立ちます。学校の研究教科が数学(算数)、国語、体育、道徳‥などの多岐にわたっていても、私は先生たちがそれらの授業研究をしながら「授業者としてのスキル向上」の視点からアドバイスをすることが有効だということです。

 このことが各学校のコア委員会の立場にいる人たちにも徐々に理解してもらえて来ました。学校がどの教科を研究対象にしても、その研究活動を通して授業者としての腕を上げることができ、他の教科の指導力や、自分の教科の指導力を向上させていけばよいのです。

◎このあたりの理論的土台はこちらを参考にしてください。

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