先生たちに必要な基礎スキル

【授業研究】この1年間、小中学校も含めてたくさんの授業を見学させてもらい続けています。それもできるだけ研究授業のような「特別な授業」ではなく、普通の、いつもの授業を、なるべくなら廊下から、見学し続けています。その方が、先生や生徒たちの「日常」が観察できると考えているからです。

 その中で感じ始めていることは、アクティブラーニングの名のもとにペアワークやグループワークが盛んになり、それらの活動の質が問題にされていますが、それ以前の問題の方が多いのではないかと言うことです。思いつつくままに列挙すると以下の事柄が気になります。

・始業時に先生が教室に入っていない。

・本論に入る前に5~10分間の「前置き」がある。

・教科書やノート等を見ながらうつむき加減で説明する。

・板書しながら黒板に顔を向けたままで説明する。

・説明の際に腕組みをして仁王立ちで説明する。

・視線が生徒に向かうことなく後方の壁や窓や天井ばかりに向く。

・生徒にワークをさせている時も教壇から離れない。

・生徒にワークさせている時に生徒たちを全く見ていない。

・生徒にワークをさせている時にプリントの整理など別のことをやっている。

・終盤で2~3分時間が余るとだまっている。生徒も黙らせる。

・終業のチャイムの後も平気で説明を続ける。

 これらのことをきちんとできない先生たちに、「質の高いワーク」を実践させるのはとても困難なことです。いくつかの段階に分けて、先生たちの「基礎スキル」をわかりやすく整理するべきではないかと思い始めています。

 その土台には「社会人としての基礎スキル」「指示・説明をするための基礎スキル」「クラス・グループ・個人を観察する基礎スキル」などの伝統的な授業でも必要だったスキルが基盤にあると思っています。その上に「生徒たちの対話を促進するための基礎スキル」や「振り返りや気づきを促す基礎スキル(私はこれが深い学びを促進するのに欠かせないと思っています)」などが必要だと思います。

 これらを整理して先生たちが自己チェックや相互チェックできるようにしたいものだと思い始めています。

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