成功の秘訣は説明できない?

【授業研究】沖縄で生徒向けの授業を見てもらった後の質問で「なぜ、成功するという自信が持てるのか?」という質問をいただいて説明したと書きました。この箇所にfacebookで次のようなコメントをいただきました。

「魅力ある授業をされる先生って、

 その秘訣を聞いても「…?」って顔をされることも多い(笑)ので、

 具体的に示していただけるととても嬉しいです(^ ^)」

 このコメントに改めて感じさせられたことがあります。それは「授業」については「理論も技術(スキル)」もないに等しいということです。だから「勝っても負けても(成功しても失敗しても)その理由を説明することが難しい」或いは「多様な説明が可能」になり、しばしば「根性論・精神論が罷り通る」ということです。

 これは私が若いころ夢中になった「空手の世界」によく似ています。剣道に比べると空手の世界には理論が薄いという構造があります。私の恩師はこのことに科学的手法を用いて挑戦していました。その理論が着々と構築されていく過程を弟子として間近で見ていた、というよりは直接に手ほどきを受け続けてきたことに深く感謝しています。

 この考え方を身に付けている私は「授業」の世界にも「理論と技術(スキル)」がないことを痛切に感じています。それ故、「強い選手もなぜ勝ったのかを説明できない」ということになります。これは「勝負論」の視点です。

 また「強い選手の技をどうすれば身に付け、使えるようになるかも説明できません」、その結果「どう指導すればよいかもわからない」ことになります。これは「上達論」の視点です。上達論では「初心者の技づくり」と「上級者の技の使い方」は異なることがある点に注目する必要があります。弓道で言えば上級者は「弓を卵を持つように柔らかく握り」、初心者は「指と掌に意識を込めてしっかりと力を入れて握る」という違いです。

 冒頭の質問に回答している私の説明内容は言わば「勝負論(技の使い方・戦い方)」的な説明です。しかし、これを聞いたら初心者が「できる」わけではありません。そのプロセスで私が使っている「個々の技(スキル)」は丁寧に繰り返して練習する必要があるからです。

 これらを丁寧に体系的に説明する必要があります。私の今後の課題が少し明確になりました。大きな気づきにつながるコメントに感謝します。

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