また生徒向け授業(1)

【授業研究】先週とは異なる高校で生徒向け物理授業を実践しました。楽しい出来事がありました。席自由にしたところ、最後尾で2人で向き合って着席した男子がいました。普段は1人席にいるやる気のない生徒と聞いていたのが、そのうちの1人、Gくんです。

 冒頭の15分間の説明の際にG君の頭はどんどん下がります。ついに頭は机についてしまいました。「寝ているのかな?」‥よく見ると、目は開けているし、私の方を見ています。私は特に注意もせずに進め、問題演習の時間に入ります。いつものように「チームで協力できていますか?」と各チームに声をかけていきます。G君たちのグループに行くと、G君は起きています。練習問題のプリントを開いています。しかし‥手には何も持っていません。

「あれ鉛筆は持ってないの?」「いいえ。あります」

「ああ、そうなんだ。どこにあるの?」と言って私は立ち止まります。

「ここ」と言って足元のバッグを指さします。

「バッグの中のどこ?」

「‥‥」

「取り出せるの?」

「うん」と大きなバッグからペンケースを取り出して机の上に置きます。

「中に入っているの?」

「うん‥」と言いながらようやく鉛筆を持って手に持ちました。

「よかった。ちゃんと持ってきているんだ」というと、

「もちろん‥さすがですね‥」とG君。

 この「さすが」は私がついに鉛筆を出させたことについての誉め言葉のようです。私はそれには答えず「じゃあ、頑張ってね」と声をかけて他のチームに向かいました。

 この場面は終わってから先生たちの間で話題になっていました。「あの子は大変なんですよ」「G君が最後まで寝なかったのはすごい」‥等々でした。

 私は久々に「荒れる学校」に勤務していたころの、生徒指導のワクワク感を思い出していました。生徒を叱ったり、威圧したりしないで、うまく授業に巻き込む‥いつもいつもそう考えていました。そのころの生徒はG君よりはるかに対応が難しい生徒がたくさんいました。そういう生徒たちを相手にカウンセリング・スキルやビジネス社会の理論などを使いながら悪戦苦闘していた時期のことを久々に思い出しました。あのころの体験があるから、荒れる学校での生徒指導の実践があるから、私の物理授業はうまくいっていた側面があるということを久々に実感しました。[この項続く]

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