「生徒に質問する」が基本

【授業研究】ある先生から生徒指導上の問題について相談を受けていました。何回目か相談でその生徒の状況が大きく変化し、教師として生徒にどう説明すればよいだろうか?という質問を受けました。

 私の回答は「生徒や保護者はどうして欲しいのですか?」「それをまず訊くことですね」です。続けて、ロジャーズの話をしました。

 来談者中心主義のカウンセリングを始めたロジャーズです。英語では「来談者中心主義」を"Client-Centered Therapy"と言います。その後、ロジャーズはこれを「人間中心アプローチ"Person-Centered Approach:PCA"」と表現します。

 更に晩年になってこの考え方を教育にも活かすべきだと考えて、"learner centered education"と言い換えます。これが「学習者中心の教育」の考え方の土台になったようです。現在のアクティブラーニングの基礎になっていると私はとらえています。

 私はカウンセリングを長年学びましたから、授業改善にチャレンジする以前に「来談者中心」の立場での考え方やスキルを磨き続けました。その基本は「クライアント(生徒・児童)に質問する」です。私はこの姿勢を相談室でも物理授業でも担任等としても貫き続けたことになります。

 それ故、生徒の悩み事と向き合うときは生徒の気持ちや意見を丁寧に質問し続けます。物理授業でも生徒たちに「学び方がうまく行っているかどうか」を質問し続けます(質問で介入)。更に毎回、リフレクションカードを使って「振り返りのための質問」をします。

 実際にはもっと簡潔な説明でしたが、その先生からは「なるほど。生徒に質問するを忘れていました。小林さんの態度が一貫しているのは、この基盤があるからなのですね」との返事。

 うれしいという思いと同時に、このことをもっと丁寧に研修会や本を使って伝える必要があると感じました。

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