生徒に声をかけるのは有効か?

【授業研究】研修会でいただいた以下のリフレクションカードのコメントを基に、ワーク中の声かけの問題点と解決策について考えます。

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  たぶん、この授業者はワークの最中に精力的に動き回って、多くの生徒に声をかけているのだと思います。熱心に「コメントをしたり」「アドバイスをしたり」しているのだけど、生徒たちに本当に「主体的・対話的で深い学び」になっているかどうかがよくわからないと感じているのだと思います。或いは、「これは主体的ではないのではないか?」とひっかかりを感じているのかもしれません。

 多くの場合、先生たちのコメントは「ここがいいね」「もっとこうするといいよ」「これは良くないね。こう直してみたらどう」「いい感じだね。頑張ってね」‥などの褒めたり、アドバイスをしたり、激励したりになっているようです。

 これは「主体的な学び」につながるのでしょうか?私は懐疑的です。子どもたちは先生に褒められたり、激励されることを求めるのではないでしょうか?「褒められ競争」が巻き起こったり、先生に対する依存性が高まるのではないでしょうか?この行きつく先が官僚の「忖度競争」になるのではないかと感じています。

 ではどうするか?私は「質問でプロセスに介入する」方法をとっています。「どうしたいのですか?」「その方向に向かって順調ですか?」「行き詰まっていることはないですか?」「それを乗り越えるにはどうすればよさそうですか?」「誰か、質問できそうな人はいませんか?」「他の人の意見は聞いてみましたか?」「チームで協力できそうですか?」‥これらの質問はかなり確率で子どもたちに「振り返りと気づき」を促します。「自分で気づいて歩き出す」「友達と協力して壁を超える」という体験につながりやすくなります。

 しかも、「先生に言われたから‥やった」「先生にほめられたいか‥やった」ではなく、自分(自分たち)でやったと感じることが大事なのだと持っています。このスキルと考え方を身に付けるのはそう簡単とは言いにくいのですが、毎日の授業の中でトレーニングしていけば、うまくなるものです。毎日の授業こそが、授業者の腕を上げるプロセスになると私は信じています。

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