明日、ニューベンゼミ再放送です!【リマインダー/拡散希望】

【授業研究‥いつもより長文です。後半(画像の後)は時間のある時にお読みください】

 (2018/1/18の記事の再掲です。明日のテレビの宣伝です)

以前に出演したNHK Eテレテストの花道 ニューベンゼミ」がまたまた再放送されます。この内容は高校生のためだけではなく、授業形式を変えるのに困難を感じている先生たちにも役立ちます。ぜひ、ごらんください。録画して、校内で生徒たちや先生たちとご一緒にご覧いただくのも効果的だと思います。

 再放送される回は#45『疑問を持って、質問するチカラ』。日時は以下です。

2/12(月・祝)19:25~19:55 Eテレ

2/17(土)  10:30~11:00  Eテレ

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 内容は「伝統的な授業」を受けていても、生徒が少し工夫すれば「主体的な学び」や「対話的な学び」が実現する方法を紹介しています。先生・授業者の立場に立つと、「伝統的な授業形式」をすぐに大幅に変えることをしなくても、ほぼ、現在の授業形式のままで、「最初の一歩」を踏み出す方法を紹介しています。

 番組では生徒たちのために以下のように紹介しています。

(1)これまで「鵜呑みにしていた」説明や板書に

  少し「ホント?」「なぜ?」と問いかけてみましょう。

(2)そうすると、「気になること」「ひっかかること」、

  「読めない漢字」「知らない地名」などが出てきます。

(3)それらをノートするときに、アンダーラインを引くか、

  「?」を付けておきましょう。

(4)授業が終わったら、友だちと話し合ってみましょう。

  「これなんて読むの?」「この意味はなに?」という具合です。

(5)協力すると「わかる」ことが増えます。それでもわからない時は、

   一緒に調べましょう。ネットや図書館も利用しましょう。

(6)それでもわからないときは、「友だちと一緒に」先生のところに、

   質問に行ってみましょう。

 つまり「終わってから友だちと一緒に質問したり教えたりしよう」と目的意識を設定することで、「対話的な学び」が起きるということです。その結果は、「もっと調べよう」「先生のところに質問に行こう」という「主体的な学び」を引き起こします。先生に聞くことで内容(コンテンツ)に関する「深い学び」が起きる可能性も大です。この過程(プロセス)を振り返ることによって、「学び方」そのものについての「深い学び」が起きる可能性もあります。

 長くなりますが、続けます。これを授業者(先生)が生徒に指導することで、あまり授業形式を変えなくても「授業改善」の第1歩を踏み出すことができます。次のようにやってみて欲しいところです。

(1)この番組を生徒に見せる。実質25分間です。

(2)次の時間から以下のように授業の受け方を変えることを生徒たちに勧めます。

 (a)先生は今まで通りに説明します。

 (b)生徒の皆さんは、番組にあったように「説明をうのみにしないで」、

   「ひっかかったところ」に印をつけながらノートしてください。

 (c)休み時間などに、ノートを持ち寄って友だち同士で、

   「質問したり」「教えたり」「一緒に調べたり」してください。

 (d)それでもわからない時は「職員室に質問に」来たり、

   「次の時間に質問」したりしてください。

 これだけです。あとは今まで通りに「伝統的な授業形式」でお勧めください。これだけでも、生徒たちの「居眠り減少」「集中力向上」「質問増加」などが「すぐに」起きます。ぜひ、お試しください。次の時間に、「前回の内容についての質疑応答の時間を5分とります」とやるだけで、復習の効果も期待できます。

 更に進める方法があります。第1ステップは「リフレクションカード」をとることです。最初は簡単な形式で良いと思います。「今日の授業の感想を書いてください」から始めてください。徐々に形式や質問の内容を変えていくと良いと思います。詳細は下のURLを参照してください。生徒たちはリフレクションカードを書くだけで「振り返りと気づき」を得ることができます。授業者としては、授業を少し変えただけで生徒たちの気持ちや学ぶ姿勢がどう変化したかを把握できます。

http://a2011.hatenablog.com/entry/2017/08/08/050000

http://a2011.hatenablog.com/entry/20170125/p1

http://a2011.hatenablog.com/entry/20110619/p1

 第2のステップです。授業の中で「説明・話しあい・質疑応答」の時間をとります。例えば、「説明40分、生徒同士の話し合い3分、質疑応答5分、リフレクションカード記入2分」です。このタイムテーブルを提示して始めると、生徒たちは「40分後には話し合うのだ」と「アウトプットすること」を意識するので集中力が高まります。授業者がやるべきことは以下の3つです。

 (a)これまで50分かけていた説明を40分にする。

   導入のエピソードを削る、雑談を減らす、板書を減らす、

   「えー」「あー」を減らす、繰り返しの説明をやめる‥などで可能です。

 (b)話し合いをする相手を決めておくように生徒に前の時間に指示しておく。

   話し合うときは机を動かしたり、移動したりしても良いことにする。

 (c)質問は「コンパクトにする」ことを指示する。先生も「コンパクトに回答する」。

 その上で「リフレクションカード」をとります。生徒たちの色々な感想・気づき・リクエストが出てきます。それに応じて、「次の一手」を考えてください。

 第3のステップです。第2のステップを2ラウンドにします。例えば「説明15分、話し合い3分、質疑応答5分」を2セット(23分×2回=46分)行い、最後にリフレクションカード記入4分を取ります。説明時間を15分間にすると生徒たちの集中力は格段に向上します。ただ、これをすると先生の説明時間は50分→30分に減少します。上記の(a)(b)(c)では短縮できないかもしれません。

 そこで役立つのが「板書・ノート時間の短縮」です。例えば、「板書」していた内容をパワーポイントとプロジェクターで投影します。KP法などで紙や小さなホワイトボードに書いて黒板に貼り付ける方法も便利です。生徒がタブレット等を持っているなら、そこにロイロノートなどを使って配信する方法もあります。配信すればノートの時間も短縮できます。「ノート」を短縮するには、パワポのスライドを印刷して配布する方法もあります。

 ここまでくると、先生たちは授業の形式を少し変えると、生徒たちの学びの質が大きく変わることを実感できるはずです。そうしたら、「話し合い」の時間を拡大して、先生が説明していた時間をグループワークにして調べさせるとか、グループで問題を解かせたり、教科書の内容を図解させたりすることへのチャレンジも楽になります。

 ぜひぜひ、放送をご覧になってお試しください。

◎小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。→http://al-and-al.co.jp  

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