質の高い講演会が起きた背景は?

【授業研究】昨年(2017年)11月18日(土)に福岡県で研修会講師を務めました。その時の私の講義と質疑応答の速記録を編集して、講演記録を作る作業の大詰めです。最近の私はパワーポイントを使ってスライドを見せながら話すので、話した言葉だけを文字起こししても意味が通じません。文字起こした原稿にスライドを挿入して編集することにしています。担当の方や印刷序の人たちには手間を増やしてしまうのですが、私はそこに出席していなかった人が読むことを考えると、どうしても妥協できないのです。

 手伝ってくれる秘書のYさんの手間もかかります。逆に言えば、色々な人の協力を得て、講義録を作っています。そんな作業中に、Yさんが「この講演録はとても良いですね」と言い出しました。「知人にも見てもらったのですが、『講義の内容も、質疑応答の内容もとても分かりやすい』と言っていました」とのこと。

 そういわれてみると、これまでいくつか作ってきた講演録よりも密度の高い内容になっている気がします。特に質疑応答の部分です。Yさんも「質問がコンパクトだし、良い点を突いている鋭い質問ですよね。この質疑応答は会場の人たちにも、多くの学びになったのような気がしますね」と言います。‥、なぜだろう?と気になってきます。

 この時は、約250人相手に90分間という条件でした。はっきり言って「悪条件」でした。ワンウェイに近い講義形式は私が「苦手」ということもありますし、「アクティブラーニングをテーマにワンウェイで語る」ことへの抵抗もあります。

 そこで、これまでにない形式にチャレンジしました。「私の説明10~15分、グループでの共有と質問を考える時間2分、質疑応答8分」を3セット繰り返す形式にしました。スタートでは「進め方の説明とグループ作り」、最後には「まとめの講義」を少し入れて、90分間でピタリと終わりにしました。質問は延べ8人から、延べ9個をいただきました。24分間で9個の質疑応答ですから、1問当たり24分÷9=2.7分/問、です。この密度は私がコンパクトに回答するだけでは達成できません。質問が実にコンパクトに行われ、その上、質問の焦点が明確な内容だった成果です。

 この「説明10~15分、質問を考える2分」は校内研修会でもしばしば使いますが、「質疑応答」に8分という時間制限をしたのは初めてでした。これが効いたのではないかと感じています。実際、普段なら「質問ください」と言ってから手が上がるまでに20~30秒間かかります。しかし、この時は、その合間の時間は全くありませんでした。これも時間効率が高かった理由のひとつです。

 要するに、私のしかけが良かった部分とともに、それによって参加者の皆さんの「質問の質」が高くなったということが大きな理由です。それによって、「質の高い対話」ができたと感じています。参加者の皆さんの協力のおかげで、私はとても質の高いワークショップを経験させてもらえたということです。参加の皆さんに、改めてお礼申し上げます。

◎年明け早々のオープン講座「入門講座」のご案内です。申し込み受付中です。

 詳細は以下のURLからご確認ください。

 ・「アクティブラーニング入門5」授業体験+授業計画作成 

       2018/1/14(日)  13:30~16:30  東京・恵比寿

   http://www.kokuchpro.com/event/ALK0114/

 ・「アクティブラーニング入門6」授業改善と組織開発+模擬振り返り会体験 

       2018/1/28(日)  13:30~16:30  東京・恵比寿

    http://www.kokuchpro.com/event/ALK0128/

◎小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。→http://al-and-al.co.jp

◎「入門2」はこちら→ https://www.amazon.co.jp/dp/4382057477

f:id:a2011:20170719070800p:plain