「伝統的な授業」はワルモノ?

【授業研究】子供向けに授業改善の本(絵本)を書いています。小学校高学年、中学生、高校生が直接読んで理解できるように書いています。同時に子どもたちや保護者向けに先生が説明するときのヒントになるように計画しています。
 その第3巻を執筆中なのですが、「強い違和感」を感じて筆が止まり、1か月止まってしまいました。出版社の方にはものすごい迷惑をかけているのですが、だからと言って、教育上の問題を抱えているかもしれない本を出すわけにはいかない‥と思って、呻吟してきました。
 年末年始に集中してあれこれ読んだり書いたりしているうちに気が付きました。私の原稿は「伝統的な授業」をワルモノにしているような気がします。私自身にその気はないのですが、子どもたちがこの本を読んだら、そういう気持ちになりそうな不安が強いのです。考えてみたら、世の中全体が「伝統的な授業はワルモノ」キャンペーンになってはいないでしょうか?テレビ、新聞、雑誌、たくさんの単行本も、この1〜2年は突然そういう雰囲気になってしまったような気がします。
 書いている人たちに、そんな悪気はないのだと思います。結果的にそうなっているたけだと思います。でも、私は自分が書く文章には細心の注意を払いたいと思っています。それで苦しんできました。‥‥ようやく、この問題を乗り越えられた気がします。
 子どもたちの立場からすれば、「どんな授業でも、受けてみよう」という気になるようなキャンペーンが必要だと思います。そうすれば、自分が好きな授業・嫌いな授業がわかってきます。好きでも嫌いでも、その授業を自分の学習・成長につなげる方法を編み出していけばよいのです。一人ではできない場合もあるので、友達・先生・保護者・周囲の人たちを巻き込んで考え、対応していけばよいのです。そうすることが「主体的・対話的で深い学び」を実現することです。子どもたちにこういうメッセージを伝える本を書くことにしました。